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第14章 更なる「力」を求めて
第384話 様々な「動き」
しおりを挟む春風達が更なる「力」を求めて、それぞれの目的地へと出発した、丁度その頃。
辺境に位置する小さな村……否、かつて村だったその地では、
「ん? どうしたんですか皆さん?」
と、灰色のローブを纏った1人の人間が、複数の「人ならざる存在」達に向かって尋ねていた。
「ーーーー」
その中の1つが灰色ローブの人物に向かってそう答えると、
「え、そ、それって、危険な存在ですか?」
と、灰色ローブの人物は、恐る恐る再び尋ねた。
その後、「人ならざる存在」達との会話を終えると、
「い、急いで準備しなくちゃ!」
と、灰色ローブの人物は大急ぎで行動に移した。
同じ頃、ウォーリス帝国内のとある場所では、
「グルル?」
と、ドス黒いオーラのようなものを纏った、大きな「獣のような存在」が眠りから目覚めていた。
「獣のような存在」は真紅の瞳をギラつかせながら、とある方向へと視線を移すと、
「グルルル……」
と、まるで遠くから「何か」が来るのを察知したかのように唸った。
「……」
そして、そんな「獣のような存在」を、少し離れた位置から見守る人影があった。
更にその頃、とある場所では、
「そうですか、彼がここに向かってると」
「……(コクリ)」
と、1人の男性と、1人の少女がそう話していた。
男性は「ふむ」と小さく呟くと、
「では、こちらも準備に取り掛からなくてはいけませんねぇ」
と、少女に背を向けて、スタスタとその場を後にした。
残された少女はというと、
「……」
と、無言でまるで「神様」に祈るかのような体勢になった。
とまぁ、こんな風にそれぞれの目的地に当たる場所で、そんな動きがあった。
そして、「動きがあった」といえば……。
ウォーリス帝国帝城内では、
「オイ、あいつらは見つかったか!?」
「いえ、何処にもおりません!」
と、兵士達が何やら慌ただしい様子で、誰かを探していた。
そして、兵士達が別れると、その内の1人が、
「くそ! 一体何処に消えたんだ!? こんなことが陛下に知られたら……!」
と、誰もいない牢屋を見て、そう呟いた。
その一方で、セイクリア王国王都の、とある場所では、
「あ、あなたは!」
「……お久しぶりです、マーガレット王妃様」
と、国王ウィルフレッドの妻であるマーガレットが、1人の男性と対峙していた。
怯えた表情で、ブルブルと体を震わせるマーガレットが見つめているその男性は、背中に白い大きな翼を生やしていた。
と、このような動きが起きていたとは知らず、リアナ、水音、そして、春風は、ただ目的地に向かって進んでいた。
ただ、ウィルフレッドとイブリーヌらセイクリア王国へと向かっていた面々はというと、
「……(クスクス)」
と、1人の人物が、もの凄く悪い笑みを浮かべていたが、それに気付いた者は誰一人いなかった。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、今日から本編第14章に入ります。
更なる「力」を手に入れる為に、それぞれの目的地へと旅立った主人公達に、一体何が待ち受けているのか?
彼らの活躍に、ご期待ください。
応援ありがとうございます!
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