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第14章 更なる「力」を求めて
第385話 リアナ編1 少女4人と女神とおじさん(?)
しおりを挟むエルード各所で様々な動きがあった中、目的地へと旅立ったリアナ達はというと、
「イヤッホーッ! 空の上、最高ぉーっ!」
みんなで空を飛んでいた。
何故、リアナ達がそんな状況になっているのか?
それは、彼女達が乗っているものによるものだった。
実は彼女達が乗っているのは、春風がスキルで作った、「絨毯型魔導具」を改良したもので、名前を「フライング・カーペット」という。
以前作ったものは、中央に緑とオレンジ、即ち風の魔石と土の魔石がついていたが、今回改良されたこのフライング・カーペットには、その他に赤と青と黄色と紫、即ち火と水と光と闇属性の魔石がついていて、これによって風と土魔力だけじゃなく、火、水、光、闇属性の魔力でも扱えるようになっているのだ。
そして現在、リアナ達はこのフライング・カーペットに乗って、空から目的地へと向かっていた。
「きっもちぃーっ!」
リアナは楽しそうにフライング・カーペットを操縦していて、
「いえーいっ!」
「し、シオちゃん! 落ちちゃうからあんまり暴れないで!」
その後ろでは詩織も楽しそうにしていて、そんな彼女を双子の姉である彩織が叱っていた。
「り、リアナ! ちょっとスピード上げ過ぎじゃないかなぁ!?」
その側ではアデレードがブルブルと震えながらリアナに文句を言っていて、
「そ、そ、そうよリアナ! もう少しでいいからスピードを落として!」
その横ではリアナの育ての親である女神ヘリアテスも、アデレードと同じように震えていた。
そして、リアナは後ろを振り返ると、
「ねぇ、ギャレットさんはどう!?」
と、一番後ろに座る人物、断罪官第1小隊隊長ギャレット・フッカーに向かってそう尋ねた。
「リアナ嬢ちゃんよぉ、んなもんおじさんの答え決まってんだろ?」
腕を組んでどっしりと座るギャレットはニヤリと笑うと、
「もっとスピード出せやぁっ!」
と、言い放ったので、
「よっしゃあ! いっくよーっ!」
「イエーイッ!」
「「「ちょ、ちょっとぉおおおおおっ!」」」
リアナは更にフライング・カーペットのスピードを上げた。
「「「無茶しないでぇーっ!」」」
その瞬間、2人と1柱の悲鳴があがった。
ところで、どうしてギャレットがリアナ達に同行しているのかというと、実は今回、リアナ達が向かう目的地は、彼もその地に深い関わりがあり、昨日リアナ達を占った占術師のエスターからも、
「あなたも一緒に行った方がいい」
と、真剣な表情で言われたからである。
ああ勿論、大隊長であるウォーレンの許可も得ている。
とまぁ、そんなこんなで、暫くの間5人と1柱は空の旅を満喫していると、
「あ、見えたよ!」
と、リアナが指差したように、旅の目的地が見えてきた。
その後、リアナはその地の上空あたりで一旦フライング・カーペットを止めると、
「ねぇ、ギャレットさん」
「なんだ?」
「あそこ、何ですよね?」
と、再びその地を指差しながらギャレットに尋ねた。
「……ああ、そうだ。あそこが……」
ギャレットはその地を見て、表情を曇らせながら答える。
「俺が滅ぼした、リアナ嬢ちゃんの故郷だ」
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