ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第7章 襲来、「邪神の眷属」

第97話 2つの「影」

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*本編新章開始です。

 その日の夜、とある森の中で、数人のハンターが、とても大きな「影」と対峙していた。

 その「影」は、見た目は大きな狼の姿をしていたが、その正体は、だった。その為、「影」の方に目立った傷はないが、逆にハンター達の方はというと、それぞれ体中に無数の傷が出来ていて、他にも彼らの背後に、重傷を負った他のハンター達がいた。

 ハンター達が武器を構え直すと、「影」は真っ赤な両目でギロリと睨みつけてきた。

 その瞬間、ハンター達は身の危険を感じたのか、全員一歩後ろに下がった。

 恐怖で混乱したのか、ハンター達の1人が手にした大きな斧を持って「影」に向かって突撃したが、「影」が右前足を横に振るった事で発生した衝撃波をまともに受けて、思いっきり後ろに吹っ飛ばされた。そして大きな木に激突すると、そのまま意識をうしなった。

 その姿を見て、怯えながらも武器を構えるハンター達に向かって「影」が襲い掛かろうとしたその時、鋭い音と共に数本の矢飛んできて、「影」の目の前の地面に刺さった。

 「影」が矢が飛んできた方を向くと、森の木々の間から新たに十数人のハンターが現れて、先に「影」と対峙していたハンター達に合流した。

 「影」は一気に多くなったハンター達を見ると、自身の尻尾(勿論本物の尻尾ではなく尻尾状のエネルギー塊のようなもの)を長く伸ばして、それを思いっきり地面に叩きつけた。

 すると、激しい土煙が上がって、ハンター達は咄嗟に腕で顔を覆った。

 そして、土煙が収まったのを確認して、ハンター達は顔を覆っていた腕を退けると、そこに「影」の姿はなかった。

 その後、負傷したハンター達を担ぎながら、その中の1人が呟く。

 「くっ! 『邪神の眷属』め!」

 そして、その場を後にするハンター達の様子を、先程の大きな狼の「影」は、遠くにある崖の上で見つめていた。

 丁度同じ頃、ハンター達がいる森とは別の森の中を、1つの小さな「影」が駆け抜けていた。

 その「影」は、見た目は「人」の形をしていたが、子供にしてはあまりにも小さすぎていた。

 「影」はひたすら森の中を駆け抜けて、時々魔物を見かけてはすぐに隠れて、見つからないように息をひそめた。

 そして、魔物がいなくなったのを確認すると、再び駆け出した。

 「影」は暫く走っていると、漸く森を抜ける事ができた。

 しかしだからといって、「影」は油断したりはしなかった。

 周辺に注意しながら歩いていくうちに、「影」は目的の場所の近くに着いた。

 そして近くに大きな岩を見つけると、その岩の上で、目的の場所をジィッと見つめた。

 「影」の視線の先に写っていたのは……中立都市シャーサルだった。

 「……あそこか」

 と、そう呟いた「影」は、その後暫くシャーサルを見つめていると、シュタッと岩を降りて、再び歩き出すのだった。


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 どうも、ハヤテです。

 と言うわけで、今日から本編新章の開始です。

 レギオンのリーダーとなった春風君に降りかかる、新たなる「試練」。

 果たして彼と仲間達は、この「試練」にどう立ち向かうことになるのか?

 今後の彼らの活躍に、ご期待ください。
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