ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第4章 誕生、ユニークなハンター?

第53話 蠢く者達

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*第4章最終話です。

 春風達がシャーサルで今後について話し合っていた、丁度その頃。

 ここは「エルード」でも、ましてや「地球」でもない、全く別の空間。

 そこでは、大きな「球体」を囲む様に、5人の男女が座っていた。

 男女はまるで映画を見ているかの様に、目の前の「球体」に映し出されている、ある「映像」を見ていた。

 そして、その球体に映っているのは、自分達が「勇者」として選んだ、1人の女性と23人の少年少女達だった。

 「勇者」達の現状を見て、5人の男女の内の4人、乱暴者の様な雰囲気をした20代前半くらいの赤髪の青年と、女性秘書の様な雰囲気をした眼鏡をかけた長い青髪の女性、緑の髪を持つ悪戯っ子を思わせる10代前半くらいの少年と、ちょっとぽっちゃりした体型とオレンジ色のショートヘアが特徴的な女性が話し合う。

 「順調に育ってきているみてぇだなぁ」

 「ええ、そのようね」

 「んー、でも若干そうじゃない奴もいるけどね」

 「仕方ありませんよぉ、彼らだって人間だからねぇ」

 「映像」を見ながら話す4人の会話を、最後の1人である赤髪の男性と同じ年頃くらいの、長い金髪を持つ青年は黙って聞いている。

 そんな男性を他所に、ふと緑の髪の少年が口を開く。

 「あぁ、そういえばさぁ……」

 「あぁん? 何だよ?」

 「1人、「勇者」達のもとから去った『アイツ』、どうしてるかなぁ?」

 「……確か、『春風』だったわね」

 「アイツか……」

 「今思い出しても、ちょっと腹が立ちますねぇ」

 春風の名前が出て、4人の心が怒りに満ちていったその時、それまで黙っていた金髪の青年が口を開く。

 「そこまでだ諸君。あの少年の事は放っておけと前にも言った筈だが?」

 「いや、でもさぁ……」

 「彼1人がどう動いたところで、世界の消滅が止められる筈もない。そんな事よりも、今はただ、の方が最優先だ」

 金髪の青年の言葉に、4人は何も言い返さなかった。

 暫く沈黙していると、今度はオレンジの髪の女性が口を開く。

 「ま、まぁあの子の事に関しては、『彼ら』に任せておけば良いんじゃないですかぁ?」

 「? 『彼ら』って?」

 「ほらぁ、『五神教会』お抱えのぉ……あれ、何て名前でしたっけぇ?」

 「おいおい、忘れたのか? 『断罪官』だろ? 名前」

 「ああ、そうでしたぁ!」

 「なぁるほど! あの過激な連中なら、あの生意気なアイツを葬ってくれるかもしれないね!」

 「そうね。それなら、彼らの働きに期待しましょう」

 『おぉ!』

 そう決まった後、4人は再び映像を眺め始めた。

 そんな彼らを見て、金髪の青年は心の中で呟く。

 (そうだ、奴の事は放っておけば良い。最終的には、我々が生き延びれば良い。我々が、な……)

 そう呟いた青年は、他の4人に気づかれない様に、ニヤリと醜く口を歪めると、自身も映像を見始めるのだった。


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 どうも、ハヤテです。

 というわけで、第4章はこれで終了です。

 続く第5章では、春風君に「試練」が襲い掛かります。

 果たして春風君は、この「試練」にどう対処するのだろうか?

 彼の今後の活躍に、ご期待ください。
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