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第5章 対決、断罪官
第54話 「異端」を討つ者達
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*今日から第5章の始まりです。
その夜、エルードのとある辺境の地にて、1つの村が滅んだ。
ーードォオオオオオオオンッ!
大きな爆発音と共に、村が炎に包まれる。村人達は恐怖で逃げ出そうとするが、鎧を纏った数人の騎士達によって、次々と惨殺されていった。その中には、年寄りや女子供も含まれていた。
そんな村の惨劇を、1人の男が村の中央で見ている。
「1人も逃すな。『異端者』は残さず殲滅しろ」
重厚な鎧を身に纏ったその男は、配下の騎士達にそう命令した。
その命令に従い、騎士達は村人達をその手にかける。
ある者は剣で斬り殺し、ある者は槍で突き殺していった。
村人がどんなに命乞いをしても、騎士達は情け容赦無く殺していった。
そんな事が暫く続くと、やがて村人達の悲鳴が聞こえなくなっていった。
それは、村人達は全て死んだという事を意味していた。
男のもとに、1人の騎士が駆け寄った。20代前半くらいの若い青年の騎士だ。
青年の騎士は男に報告する。
「殲滅、完了しました」
青年の騎士の報告を受け、男が「うむ」と頷くと、別の騎士が男に駆け寄った。
「大隊長、教会本部より、新たな指令が届きました!」
そう言って、騎士は男に手紙のような物を差し出した。
男は黙ってその手紙を受け取ると、中身を開いて文章を読んだ。
手紙を読み終えると、男はそれをクシャっとまるめて、
「隊員達に伝えろ。準備が済み次第、我らは新たな任に赴く」
と、騎士にそう命令した。命令を受けた騎士は、すぐにその場を離れた。
「また『異端者』が現れたのですか?」
青年の騎士がそう尋ねると、男は顔を見ずに、
「そうだ」
と、あっさり答えた。
「何か問題があるのか?」
今度は男が青年の騎士にそう尋ねると、
「いえ、ありません」
と、問題は無いと言わんばかりに答えた。
それを確認すると、男は続けて言う。
「そうか。ならば貴様も準備しろ。ぐずぐずしていると、『異端者』を逃してしまう」
「ハッ!」
男にそう命令されて、青年の騎士もその場を離れた。
周囲に誰もいなくなったのを確認すると、男は1人ボソリと呟く。
「そうだ。『神』の名のもとに、『異端者』とそれに関わる者、全てを殲滅する」
そう呟いた後、1人の騎士が男に、
「準備が整いました!」
と報告する。
男がそれに「うむ」と頷くと、今度は心の中で呟く。
(それが、我ら異端者討伐部隊『断罪官』の使命だ)
そして、男は数十人の騎士達を連れて、自分達が滅ぼしたその村を後にした。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、かなり残酷なスタートになりましたが、今日から第5章の始まりです。
その夜、エルードのとある辺境の地にて、1つの村が滅んだ。
ーードォオオオオオオオンッ!
大きな爆発音と共に、村が炎に包まれる。村人達は恐怖で逃げ出そうとするが、鎧を纏った数人の騎士達によって、次々と惨殺されていった。その中には、年寄りや女子供も含まれていた。
そんな村の惨劇を、1人の男が村の中央で見ている。
「1人も逃すな。『異端者』は残さず殲滅しろ」
重厚な鎧を身に纏ったその男は、配下の騎士達にそう命令した。
その命令に従い、騎士達は村人達をその手にかける。
ある者は剣で斬り殺し、ある者は槍で突き殺していった。
村人がどんなに命乞いをしても、騎士達は情け容赦無く殺していった。
そんな事が暫く続くと、やがて村人達の悲鳴が聞こえなくなっていった。
それは、村人達は全て死んだという事を意味していた。
男のもとに、1人の騎士が駆け寄った。20代前半くらいの若い青年の騎士だ。
青年の騎士は男に報告する。
「殲滅、完了しました」
青年の騎士の報告を受け、男が「うむ」と頷くと、別の騎士が男に駆け寄った。
「大隊長、教会本部より、新たな指令が届きました!」
そう言って、騎士は男に手紙のような物を差し出した。
男は黙ってその手紙を受け取ると、中身を開いて文章を読んだ。
手紙を読み終えると、男はそれをクシャっとまるめて、
「隊員達に伝えろ。準備が済み次第、我らは新たな任に赴く」
と、騎士にそう命令した。命令を受けた騎士は、すぐにその場を離れた。
「また『異端者』が現れたのですか?」
青年の騎士がそう尋ねると、男は顔を見ずに、
「そうだ」
と、あっさり答えた。
「何か問題があるのか?」
今度は男が青年の騎士にそう尋ねると、
「いえ、ありません」
と、問題は無いと言わんばかりに答えた。
それを確認すると、男は続けて言う。
「そうか。ならば貴様も準備しろ。ぐずぐずしていると、『異端者』を逃してしまう」
「ハッ!」
男にそう命令されて、青年の騎士もその場を離れた。
周囲に誰もいなくなったのを確認すると、男は1人ボソリと呟く。
「そうだ。『神』の名のもとに、『異端者』とそれに関わる者、全てを殲滅する」
そう呟いた後、1人の騎士が男に、
「準備が整いました!」
と報告する。
男がそれに「うむ」と頷くと、今度は心の中で呟く。
(それが、我ら異端者討伐部隊『断罪官』の使命だ)
そして、男は数十人の騎士達を連れて、自分達が滅ぼしたその村を後にした。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、かなり残酷なスタートになりましたが、今日から第5章の始まりです。
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