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アイドル編

第39話

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 あれから麻里奈と来夢は、暇さえあれば四六時中、抱き合う様になった。来夢はどんな姿にもなれる為に、あらゆるイケメンにリクエスト可能だ。それに、男性のモノのサイズも調整が出来る。
「もう少しだけ太く長くして…そう、いいわ…嗚呼っ、いぃ!あんっ、あん、イっちゃう…気持ちいい…、イクっ、イク、イク、イっちゃう…」 
 私が来夢に促したとは言え、激しく嫉妬した。来夢は来夢で、麻里奈との行為を楽しみ、麻里奈からもちゃんと愛された為に満足そうにしていた。
 でも、麻里奈にこれを認めてあげないと、外で男遊びをしそうで怖くて仕方がなかった。来夢に相手にされなくなり、私は綾瀬とだけ愛し合った。これが普通の夫婦のあり様のはずだが、物足りなさを感じていた。
「はぁ~今更に気が付いたらけど…、私って…浮気性だったんだ…」
 ポツリと呟いた。私には綾瀬と言う夫がいる。だけど、Hに物足りなさを感じると、来夢に抱かれて性欲を満たしていた。
 今はその来夢がいない。私は身勝手にも、麻里奈と来夢に激しく嫉妬していた。麻里奈は当然、私が嫉妬している事に気付いていたが、素知らぬ顔をしていた。
「麻里奈、お願い。来夢を返して!」
「返すも何も、あなたのモノでは無いでしょう?来夢と私の身体の相性は最高よ。ふふふ、来夢と寝れないなら、あなたの名前をかたって、ヤリコンで何人もの男と寝てやるわよ!」
「イジメないで、麻里奈。どうか、お願いします」
 私はそう言うと、土下座してお願いした。しかし麻里奈は、その頭に足を乗せて地面に押し付けて来た。
「随分と自分に都合が良いとは思わないの?これでも十分に譲歩してあげたのよ?いい加減にしないと、ブチ切れるわよ」
 私は額から血を流し、泣き出した。
「イライラするわね。泣けば好転するとか思っているわけ?なら譲歩してあげる。1日だけ、あなたに来夢を譲るわ。ただしその日は、ヤリコンに参加するわよ。ちゃんとMarinaの名前でね?」
 私は仕方なく、了承した。毎週水曜日に来夢と愛し合う様になった。週1だけの関係と言うのは、私と来夢の愛の炎が燃え盛る要因となった。水曜日が来るのが、楽しみで仕方ない。
「Marinaちゃん、本当に良いの?」
「良いのよ。お金が欲しくて参加したんじゃないの。性欲を満たしたいだけなのよ、貴方達みたいにね?」
 Marinaは世界トップクラスの人気アイドルだ。年収は1000億近い。Mizukiも同じくらいの年収だ。だから貧しい女性芸能人が、身体を売って生活費を稼ぐヤリコンに参加したMarinaを不思議に思ったのだ。
「3Pとかは嫌だから、1人1人としか相手をしないわ」
 そう言うと、順番に男達に抱かれた。その日の参加者は、たまたま多くて16人も参加しており、一通りヤり終わってシャワーを浴びていると、男が3人入って来た。
「複数相手はしないって言ったわよね?」
 ムッとして睨んだ。
「Marinaちゃん、違うんだ。一緒に身体を洗いたくて」
 そう言って、Marinaの身体を石鹸で洗い始めた。
「柔らかくて気持ちいい」
「本当、スベスベだね」
 褒められて乗せられて来ると、悪い気はしなかった。3人ともっていたので、口で抜いてあげると喜んだ。
 行為が終わると、「少ないけど」と言われて800万円を渡された。1人50万円の計算になる。世界トップアイドルのMarinaとの1発が、50万なんて安過ぎる。しかし彼らは純粋に、それ以上の手持ちが無かったのだろう。まさかこんな大物が参加しているとは、誰も思わない。
 麻里奈の方も、性欲を満たしたくて参加しただけだから、お金が欲しい訳では無い。そして、思い付いてしまった。
「逆に私がお金を払って、良い男とHが出来るんじゃないのか?」と。
 さっそく裏アカウントでSNSを開設し、ママ活募集をかけると、一気に10万件を超える希望者が殺到した。ヤリモク(Hする事が目的)の男が多くて、相手に困らない。しかし、誰にしようかと悩んだ。
 そのうちの1人と会って、すぐにホテルに入って行為をした。
「瑞稀、瑞稀…あぁ、瑞稀…」
「私はMizukiじゃない。気分悪いから、もうHは止めるわ」
「待ってくれ!もう少しだけ、お願いだ。瑞稀の昔の知り合いなんだ…。頼むから」
 そう言うと、抜かれない様に強く抱きしめて、激しく腰を振って来た。麻里奈は不服だったが、瑞稀の知り合いとHしてるシチュエーションに萌え、また快楽に勝てずにそのまま射精されるまで続けさせた。
「瑞稀を知っているの?貴方は誰?」
「俺は…500年前に瑞稀の恋人だった山下巧だ」
たくみ?知ってる…思い出したわ」
「思い出した?」
「実は私は瑞稀の分身なのよ。よくも私を裏切っておきながら、私を抱けたわね?まさか、まだ私に未練があるの?私から麻生さんを奪って起きながら、よくもぬけぬけと…」
「すまない…俺は最低な男だ。確かに、麻生さんが亡くなったから、瑞稀に未練がある。麻生さんは亡くなる時に、瑞稀に許しを乞うて一緒になれと遺言したんだ」
「それで…?私の気持ちも考えずに、節操無く身分を隠して抱いたのね?満足した?」
「好きな女が抱けたんだ。満足に決まっている」
「そう?…なら、とっとと帰って。帰りなさい!」
「好きなんだ。もう一度だけ、俺にチャンスを下さい。お願いします!」
 思わずカッとなって、土下座する山下の頭を床にめり込むほどの力で踏んだ。その勢いで左の眼球が取れて、神経でぶら下がった。
「お前、舐めてんのかよ?お前が私に与えた悲しみと苦しみが、どれほどのものだったか理解出来るか?」
 怒りが収まらない麻里奈は、髪の毛を引きちぎって頭を上げると、裏拳で顎の骨を砕いた。
「くひゅう~、ひゅぅ~」
 苦しそうな呼吸をしたが、胸を100連打して胸骨、肋骨を全て粉砕した。そのまま鳩尾みぞおちから男性のモノまで腹を割くと、腸を掴んで引きずり出した。
「見えるか?お前の腸を喉に突っ込んで窒息させてやる」
 麻里奈は、引きずり出した腸を喉奥に突っ込んだ。山下は涙を流しながら、甘んじて受け入れた。
完全回復パーフェクトヒール
「何故、抵抗しない」
「お前に恨まれても仕方がない事をした。俺を殺して気が済むのなら、甘んじて受け入れる。その代わり、来世では一緒になって欲しい」
「…厳密に言えば、私は瑞稀の闇の心が創り出した分身体だ。私が許しても瑞稀が許す保証はない」
「十分だ。お前が許してくれるのなら、お前も瑞稀には違いない」
「それは、瑞稀ではなくとも、私で良いから付き合いたい、と言う事か?」
「そうだ」
 ふー、と大きく溜息を吐いた。
「分かった。だがお試し期間だ。それと条件がある。①セフレの関係のみ②瑞稀には絶対に知られない事。これを守るのが条件だ」
「分かった。俺にとっては、お前も瑞稀だ。例え①の関係でも、元々恋人だった俺達の相性は悪くないはずだ。①の関係を続けて恋仲になってみせる」
 再び山下は、麻里奈に口付けをすると押し倒した。
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