勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【75.5話】 レンタワゴンか中古ワゴンか

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夜を迎えた宿屋の一室。女性冒険者四人がそれぞれお好みのツマミとドリンクを手に、その一室に集まって雑談に花を咲かせていた。



「そういえば、ペコ達今回は馬車で来なかったのね?」ピリ辛手羽先と葡萄酒を持って来たリリア。
「リリアの個人的な旅行にギルドの馬車を出せるはずが無いじゃない」発泡酒とポテトとネギの丸揚げを持参して集合したペコ。
「空いていれば私用で使えなくもないけど、最長一週間ってとこよね、それ以上は文句が出る」部屋主のアリスは発泡酒と川魚のカマ。
「シルバーソードなんて大きいギルドだから、支部で馬車とか貸し出せないの?」リリアがオフェリアに聞く。
「我がまま言えるのは地元だけ。支部だからって長期で使うとなったらタダにわならない」アリスと相部屋しているオフェリアはアボカドとチーズ三種盛りでリンゴ酒を飲んでいる。
「シルバーソードって確か町では新人呼び込みに、馬車は各町村の支部でタダで使えるって宣伝してたよ」リリアが言う。
「あれねぇ… 確かに、緊急の時は馬車を出してくれるし、無料で使わせてもくれるけど、基本的には事前に使用期間を申請して許可をもらっておくのがルールよ。それに、お土産持って行ったり報酬の一割程度を気持ちで置いていくとか暗黙のルールみたいなのがあって、無料とは言い難いんだよね」オフェリアは言いながらアリスのカマを食べる。
「どこもそんな物よ。しがらみを考えたら、一日いくらか決めてもらって使用した方が気が楽」ペコも同意。
「大きな街でレンタワゴンよ」アリス。
「ね、考えたんだけど、レンタワゴンするなら、買った方が良くない?」リリアは手羽先を食べる。
「はぁ?あなた新車がいくらするか知ってるの?」全員声が裏返る。
「新車は無理よ… 買えなくはないけど… 新車で2万から3万G、馬二頭で1万Gでしょ?中古で1万程度でしょ?どうせなら買った方が良くない?」ランカシム砦の英雄、リアルゴールドの契約ファイター、リリアが言う。
ぺ:「そんなに持っているなら、準貴族階級でも買って、引退して貴族と結婚でもしてなさいよ」
ア:「準貴は最低10万必要よ。それに貴族からは仲間外れにされ、平民からは敬遠される最悪の階級らしいわよ」
オ:「私なら引退して、商人の息子と結婚するなぁ」
リ:「何よ、あたし結構本気なのよ。レンタルするより良いじゃない」
ぺ:「それはリリアのお金だからねぇ、好きにしたら?って話ではあるけど、1万Gの中古って最低ラインよ。故障したら自分で修理できる?ルーダの風って厩も駐車場なかったけど、維持費もかかるよ」
ア:「レンタワゴンが一日最低150G程度でしょ。保障に入って170G程度。故障したら修理に来てくれるし、代車も持って来てくれる。不具合があったら町で交換保証してくれる。普段は餌代も駐車代もかからない。一ヶ月前後の使用なら絶対レンタルよ」
リ:「そっか… 一日150として一ヶ月が… 中古1万で馬二頭と合計で2万… えっと… オフェリアこれってどうなの?」
オ:「私?村出身よ、聞かないで」
ア:「150G、一ヶ月のレンタルで4500Gよ。よっぽど馬車の仕事があるなら良いけど、借りた方が安心で割安」
リ:「そっか… 運送業でも出来ないかな?」
三:「あっはっはっは、リリアが商売始めるなら皆で働くわよ」
リ:「今回レンタワゴンしたら鉄の風呂容器も積みたいのよね」
オ:「風呂?そんなの積む必要なるの?」
リ:「ペコがいればどこでも風呂沸せるじゃない」
ぺ:「私は風呂焚きじゃないっての」
全:「あっはっはっは」
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