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第92話 暴露しまくり
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「で、でもな、これからは下請が元請を選ぶ時代だ。覚悟しておけ!」
それでもなお、星崎は気張る。
「ああ、確か昨夜の電話でもそう言ってましたよね」
ユキが余裕たっぷりに返し、続ける。
「今年、工事部の統括者になるから早速実行するんでしょう? 去年、佐野さんの分の契約金額を非常識なレベルでつり上げに来たのも、その一環ですよね。もちろん却下しましたけど。ああ、それと、佐野さんの同僚の鈴木さんが下請として入っていた別の現場事務所へ、今ここにいる女性を社員と偽って一緒に訪問し、そこで彼女が大切な図面を全部シュレッダーにかけて粉々にしましたよね。それを星崎さんは鈴木さんがやったのだと言い張り、クビにしてしまった」
「く……」
「星崎さんはこの女性に御執心のようで、昨夜も事務所で仕事をしていた佐野さんへ、彼女の送迎とカツアゲと使いっ走りを命令した。それで彼女の職場は、ええと……ラブリーバタフライっていう、キャバクラでしたっけ? ぼったくりとしつこい客引きで有名な」
そこでレイナはしくじったとばかりに顔をしかめ、後退りしたあときびすを返し、一目散に車へ向かって逃げた。
「おや、彼女、どうしたんでしょうか。まあ、さすがにパジャマ姿じゃ寒いですもんね」
ユキは満面の笑みで両肩を上げる。
「おっと、話が逸れました。古山建設さんにおける、元請選定基準についての話でしたよね。いやはや、戦々恐々です。当社としても対策を練らねばなりません。他のゼネコンさんとも協議します――ということなんですが社長、いかがいたしましょう」
ユキはそこで初めて橋本社長へ話を振った。
それでもなお、星崎は気張る。
「ああ、確か昨夜の電話でもそう言ってましたよね」
ユキが余裕たっぷりに返し、続ける。
「今年、工事部の統括者になるから早速実行するんでしょう? 去年、佐野さんの分の契約金額を非常識なレベルでつり上げに来たのも、その一環ですよね。もちろん却下しましたけど。ああ、それと、佐野さんの同僚の鈴木さんが下請として入っていた別の現場事務所へ、今ここにいる女性を社員と偽って一緒に訪問し、そこで彼女が大切な図面を全部シュレッダーにかけて粉々にしましたよね。それを星崎さんは鈴木さんがやったのだと言い張り、クビにしてしまった」
「く……」
「星崎さんはこの女性に御執心のようで、昨夜も事務所で仕事をしていた佐野さんへ、彼女の送迎とカツアゲと使いっ走りを命令した。それで彼女の職場は、ええと……ラブリーバタフライっていう、キャバクラでしたっけ? ぼったくりとしつこい客引きで有名な」
そこでレイナはしくじったとばかりに顔をしかめ、後退りしたあときびすを返し、一目散に車へ向かって逃げた。
「おや、彼女、どうしたんでしょうか。まあ、さすがにパジャマ姿じゃ寒いですもんね」
ユキは満面の笑みで両肩を上げる。
「おっと、話が逸れました。古山建設さんにおける、元請選定基準についての話でしたよね。いやはや、戦々恐々です。当社としても対策を練らねばなりません。他のゼネコンさんとも協議します――ということなんですが社長、いかがいたしましょう」
ユキはそこで初めて橋本社長へ話を振った。
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