91 / 334
第91話 一気にひっくり返す
しおりを挟む
「私、佐野さんにはこの件で電話してません。会社へ連絡したり、警察に通報したりでそんな暇はありませんでしたから」
ユキが星崎を見据えて言う。
「ぐ……」
「佐野さんは、ここに来てから知ったんです。そして警察が帰ったあと、二人して養生シートで覆ったんです」
「……」
吹雪いているというのに、星崎の顔は真っ赤だ。
「そのあとに星崎さんと、お連れさんが来たんです。だからなんでシャッターに書かれた文字がわかるのか不思議でならないんですけど。しかも文字の色と塗料の種類まで」
「ぐぎぎ」
「それに犯人は防犯カメラの位置、なんで知ってるんでしょうね。というのも、現場事務所の周辺、私と佐野さん以外の足跡、全くないんですよ。普通、いたずら目的なら真っ先に現場事務所を狙いませんかね」
ユキがふふんと鼻で笑う。
「て、てめえ! かまかけやがったなッ!」
星崎が目をむいてわめく。レイナの顔もひきつっている。
さすが根性曲がりのユキ。橋本社長の前で言わせるだけ言わせて一気にひっくり返した。
星崎が掘った巨大な墓穴へ、ユキが背後からこの男を突き飛ばしたのだ。
なんと恐ろしい。でも、そんなユキが大好きだ。
佐野は自分の勤務先がかなり危うい状況に陥っているのを感じつつも、二人の間で困ったふりをしながら胸をときめかせる。
ユキが星崎を見据えて言う。
「ぐ……」
「佐野さんは、ここに来てから知ったんです。そして警察が帰ったあと、二人して養生シートで覆ったんです」
「……」
吹雪いているというのに、星崎の顔は真っ赤だ。
「そのあとに星崎さんと、お連れさんが来たんです。だからなんでシャッターに書かれた文字がわかるのか不思議でならないんですけど。しかも文字の色と塗料の種類まで」
「ぐぎぎ」
「それに犯人は防犯カメラの位置、なんで知ってるんでしょうね。というのも、現場事務所の周辺、私と佐野さん以外の足跡、全くないんですよ。普通、いたずら目的なら真っ先に現場事務所を狙いませんかね」
ユキがふふんと鼻で笑う。
「て、てめえ! かまかけやがったなッ!」
星崎が目をむいてわめく。レイナの顔もひきつっている。
さすが根性曲がりのユキ。橋本社長の前で言わせるだけ言わせて一気にひっくり返した。
星崎が掘った巨大な墓穴へ、ユキが背後からこの男を突き飛ばしたのだ。
なんと恐ろしい。でも、そんなユキが大好きだ。
佐野は自分の勤務先がかなり危うい状況に陥っているのを感じつつも、二人の間で困ったふりをしながら胸をときめかせる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
81
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる