倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第３章 【金官伽耶国《クムグァンガヤコク》】における【ミカ】と【ハヤテ】

〔２７〕王太子ハヤテ、【製鉄所】にて汗だくになって働く！！

　　ただ、【朝鮮チョソン語】が全然分からず、苦労したヤマト（実際、こき使われて、とんでもない苦労をしたのは倭国商館員全員であった！）とは違い、ハヤテは幼少の頃より、【朝鮮チョソン語】を学んできており、今では発音も慣用句も現地人と何ら遜色なくなっていた。


そこで、身分を隠して【製鉄所】で働くことにした。


【製鉄所】側でも、鋼鉄製品の需要があまりにも高く、多忙で人手不足だったこともあるが、いちいち身元調査する事もなく、即採用だった。



　　一方商館側は、ほとんどイト国の家臣で、
「何も、王太子殿下が汗だくになって働く必要などないではないか！？｣
と、いうのが大勢であった。


しかし、商館長だけは真意がわかっていた。

彼は二年前まで、王太子の【朝鮮チョソン語等学問】の師匠であったので、誰よりも、王太子の【製鉄所にかける情熱】を理解していた。


本国には、
「王太子殿下は本気で、イト国に【製鉄所】をお造りなさるつもりだ。｣
「そのための御勉学をなさっている。｣
「数年間、私が責任をもってお預かりする。｣
旨の伝言を次の帰国船に託したのだった。