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三食昼寝、家族付き
第1007話
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我が家に突然押し掛けたシヴァさんが、ぐずぐず言いながら頭を抱えている。
悩みに関わりたくないので、お茶はドリアンに任せて僕は遠巻きにしています。
「へぇ兄妹ねぇ」
「ええ、少年だけを助けようとしたら、妹も一緒じゃないなら助けなどいらないと言われたんです、女なんてどうでもいいじゃないですか」
「ふわふわで可愛いだろー、ラミアみたいなクール美人もかっけーけどさー」
「女からの感謝なんていらない!!」
聞き役はイグちゃんです、ドラゴンの角を薄切りにして油で揚げたおやつと引き換えに犠牲になってもらいました。
食べるイグちゃんも凄いけれど、作ったドリちゃんも凄い気がする。
「それでも結局助けたんだろ?」
「ええ、少年に嫌われるなんて考えられませんから、苦渋の決断でした」
アー君らの手が届いていない国に行き、貧民街から少年を救い出そうとして一緒に妹も助けてしまった事が不満らしい。
今は二人とも刀国の孤児院で体力回復中、職員も施設の子供も、突然増える子供に慣れきってしまい、相手の人種が違おうが、種族が違おうが乳児だろうが動揺しないそうです。
苦労してるんだなぁ、今度アカーシャを通してなにか差し入れよう。
僕が行くと知らないうちに身包み剥がされそうなイメージがあるんだよねぇ、うちの国の孤児院。
男児だけの孤児院を創立し、この世の春を楽しんでいた時期もあるシヴァさん。
あっという間に全員里親に引き取られ、孤児院は一瞬で閉鎖。
孤児院では子供が旅立ってしまうと学習したシヴァさんは、なら旅立っても新しく追加される施設、学校に目をつけてアー君が創立した学校に理事長として勝手に赴任、なんやかんや交渉した末に今は正式に理事長として輝いている。
そこで満足してくれれば平和なのに、少年集めまだやっていたようです。
騎士様の箱庭であるこの世界、市民が家畜のように扱われている国や、「もう遅い」が発動して崩壊寸前の国などが多数存在しているんだよね。女神様の妄想の産物なのが申し訳ない所です。
留学中の双子や、お茶を求めてチラッと出掛けていたセバツーの話から国を特定、理事長職や少年と戯れる時間の隙間をみて各地を訪れ、少年漁りをしているらしい。
不幸な子供が減るのはいいけど……孤児院が大変なことになっていそう。
いまだイグちゃんに語り続けているあの人、未成年の男児なら何歳でも守護範囲内ゆえに乳児でも平気で保護してくるからお世話する側は本当に大変らしい。
どうしても手が足りない時はどうしているのかと疑問に思ったら、同級生をアルバイトとして雇って手伝ってもらっているんだって。
情報源はアカーシャ、同級生に泣きつかれ、断り切れず何度か手伝ったことがあるそうです。
上司である騎士様のご意見を聞いたことがある。
「元の場所に戻して来なさいと言いたいけど、シヴァが保護した未成年ショタはそのままにしておいたら悲惨な運命を辿って死に至る運命を持っている。かもしれない。保護された時点でシヴァの守護下に入って運命が変わるから詳しく分からないんだよね」
未来ある少年が救われたなら良いことなのかな?
いやでも、そう思うこと自体がすでにシヴァさんの思い通りな気がしてしまう。
「なんでそんなに女が嫌いかねぇ」
「女が嫌いなんじゃない、少年が好きなだけです!!」
あの変態、うちに出禁にしちゃダメかな?
ダメか、前にこっそりアー君が進入禁止の術を結界に仕込んだけど、当たり前のように術を解いてアー君の前に現れるという恐怖体験をしたことがあるって言ってたな。
「アテナ、ああいうダメな守護神をぶん殴れる大人になるんだよ」
「あう!」
我が家で暮らしている影響か、言葉までは話せないものの、アテナとある程度の意思の疎通が出来るようになりました。
悩みに関わりたくないので、お茶はドリアンに任せて僕は遠巻きにしています。
「へぇ兄妹ねぇ」
「ええ、少年だけを助けようとしたら、妹も一緒じゃないなら助けなどいらないと言われたんです、女なんてどうでもいいじゃないですか」
「ふわふわで可愛いだろー、ラミアみたいなクール美人もかっけーけどさー」
「女からの感謝なんていらない!!」
聞き役はイグちゃんです、ドラゴンの角を薄切りにして油で揚げたおやつと引き換えに犠牲になってもらいました。
食べるイグちゃんも凄いけれど、作ったドリちゃんも凄い気がする。
「それでも結局助けたんだろ?」
「ええ、少年に嫌われるなんて考えられませんから、苦渋の決断でした」
アー君らの手が届いていない国に行き、貧民街から少年を救い出そうとして一緒に妹も助けてしまった事が不満らしい。
今は二人とも刀国の孤児院で体力回復中、職員も施設の子供も、突然増える子供に慣れきってしまい、相手の人種が違おうが、種族が違おうが乳児だろうが動揺しないそうです。
苦労してるんだなぁ、今度アカーシャを通してなにか差し入れよう。
僕が行くと知らないうちに身包み剥がされそうなイメージがあるんだよねぇ、うちの国の孤児院。
男児だけの孤児院を創立し、この世の春を楽しんでいた時期もあるシヴァさん。
あっという間に全員里親に引き取られ、孤児院は一瞬で閉鎖。
孤児院では子供が旅立ってしまうと学習したシヴァさんは、なら旅立っても新しく追加される施設、学校に目をつけてアー君が創立した学校に理事長として勝手に赴任、なんやかんや交渉した末に今は正式に理事長として輝いている。
そこで満足してくれれば平和なのに、少年集めまだやっていたようです。
騎士様の箱庭であるこの世界、市民が家畜のように扱われている国や、「もう遅い」が発動して崩壊寸前の国などが多数存在しているんだよね。女神様の妄想の産物なのが申し訳ない所です。
留学中の双子や、お茶を求めてチラッと出掛けていたセバツーの話から国を特定、理事長職や少年と戯れる時間の隙間をみて各地を訪れ、少年漁りをしているらしい。
不幸な子供が減るのはいいけど……孤児院が大変なことになっていそう。
いまだイグちゃんに語り続けているあの人、未成年の男児なら何歳でも守護範囲内ゆえに乳児でも平気で保護してくるからお世話する側は本当に大変らしい。
どうしても手が足りない時はどうしているのかと疑問に思ったら、同級生をアルバイトとして雇って手伝ってもらっているんだって。
情報源はアカーシャ、同級生に泣きつかれ、断り切れず何度か手伝ったことがあるそうです。
上司である騎士様のご意見を聞いたことがある。
「元の場所に戻して来なさいと言いたいけど、シヴァが保護した未成年ショタはそのままにしておいたら悲惨な運命を辿って死に至る運命を持っている。かもしれない。保護された時点でシヴァの守護下に入って運命が変わるから詳しく分からないんだよね」
未来ある少年が救われたなら良いことなのかな?
いやでも、そう思うこと自体がすでにシヴァさんの思い通りな気がしてしまう。
「なんでそんなに女が嫌いかねぇ」
「女が嫌いなんじゃない、少年が好きなだけです!!」
あの変態、うちに出禁にしちゃダメかな?
ダメか、前にこっそりアー君が進入禁止の術を結界に仕込んだけど、当たり前のように術を解いてアー君の前に現れるという恐怖体験をしたことがあるって言ってたな。
「アテナ、ああいうダメな守護神をぶん殴れる大人になるんだよ」
「あう!」
我が家で暮らしている影響か、言葉までは話せないものの、アテナとある程度の意思の疎通が出来るようになりました。
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