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三食昼寝、家族付き

第1008話

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 アテナと三匹が縁側のクッションコーナーでお昼寝しているのを確認した僕は、今のうちにと明日のお弁当作りです。

 えーっと、お弁当希望者はアー君、ネヴォラ、刀雲、騎士様、イグちゃん、シャムスと涼玉、エンラに……多いな。
 一部もふもふズの名前も一覧にあるよドリちゃん、これって一部の人は本当にお弁当食べたいの?
 家に帰ってきてお昼じゃダメ?

 まぁとにかく作るとしよう。

 アー君はチーズ多め、ネヴォラは何がいいかな、竹皮でおにぎりを包んでみたいけどそれだけでお弁当だと納得してくれるだろうか。
 僕は食べたい、昔話みたいなお弁当を。

「俺、肉団子多めで」
「わたし唐揚げ食べたいなぁ」
「……もう帰ってきたの?」

 材料を並べてもらい、お弁当箱を用意した所でにゅるんって感じでアー君とネヴォラが現れた。一瞬息と心臓が止まった気がする。

「俺はあれだなぁ、つけ麺」
「イグちゃんは普通にお昼食べに来ようね」

 あれかな、イグちゃんのせいで音もなく現れるの流行っちゃってる?
 えっちゃん助けて! あ、無理、そうなの!?

「俺だって弁当食べたい」
「じゃあ皆でピクニック行くのはどうかな? おにぎりやサンドイッチ、おかずいっぱい詰めて」
「ひゅー!」
「わたしも参加すんのよ! じいちゃん達も誘っていいかなぁ」
「よし明日行こう! シャムスと涼はどこだ、誘ってくる!」
「クッションコーナーのクッションの中にいる気がする」

 どのクッションもダメになるタイプのあれなので、中に潜っても楽しいらしい、あと穴倉に潜っているみたいな安心感もあるようです。

「シャームスー」
『あーいー』
「涼はいますかー?」
『いないのー、涼ちゃんクッションより金貨が好きなの』
「ママ、涼はいなかった。城の宝物庫に戻ってるみたい」
「財宝が体に刺さったりしないのかな? 丈夫だね」
「ドラゴンだからな」

 お話ししながらもお弁当一つ完成。
 こちらのお弁当箱は曲げわっぱと呼ばれる杉を使った木のお弁当箱、日本の伝統をタイガが異世界で再現してくれました。
 軽くて子供でも扱いやすいのが良いね、異世界に杉があったことに恐怖を覚えそうになったけど、僕は花粉症じゃないからセーフ、たとえそうだとしても今の僕には状態異常無効がある!!

 中身は丸いコロッケと卵焼き、たくあんを数切れと、ご飯をぎしっと。

「この箱、わたしも持ってる。じいちゃんが作ってくれたの」

 なんという事でしょう、ネヴォラが取り出した曲げわっぱのお弁当箱は漆塗りが施されていて、タイガのものより完成度が高かった。
 ネヴォラのじいちゃんが何気にセンスいいよね。
 漆塗りの技術はタイガも持ってるし、お弁当箱にも応用できると教えてあげよう。

「フォークもある、可愛い?」

 木を削って作られたフォークは柄の先端がパンダになっていた。じいちゃん器用。

「可愛い動物だね」
「うん! パンダっていうの、異世界のどーぶつ!」

 力加減を間違えてすぐ折ってしまうネヴォラ、その対策としてフォークの持ち手を動物の形にすることで扱いに気を遣わせる作戦のようです。

「じいちゃん弁当を一から作るために、自分の農地欲しがってる」
「……食育のスケールでっかいね」

 前世は日本人でほぼ間違いないと思うけど、何者だったのだろうか、ちょっと気になる。
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