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保護者の居ぬ間に

第465話

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 去り際に落とされた爆弾、その確認をするためにキーちゃんを護衛に社務所に向かい中。

『ダンジョンに配置するモンスター決まった?』
「5層以降は属性持ちにしようと思う」
「俺もボスやってみたい」
「涼が攻撃を受けたらヘラばーばが飛んでくるに一票」
『うん、来るねー、あと止めなかった僕らも怒られそう』

 幼児組も一緒に付いてきました。
 シャムスとアー君はお兄ちゃんの背に乗っているけど、涼玉は重くて誰も乗せられないのでぽてぽてと二足歩行です。

 卵から出てこない理由を聞いたら、卵で寝ているとシャムスが温めてくれるのでそれがたまらんとの返答を頂きました。
 そう言えばナーガの時もずっと温めてたなぁ。

「今日も賑わってるな」
『売上こーちょーね』
「薬膳蕎麦新発売」

 数日来なかっただけで屋台が増えている。

 冒険者の姿もかなり増えたけど、そんなに騒がしくないのはここが神薙さんの境内だからだろう。
 声が大きそうな大柄の冒険者もいたけど、なるべく声を抑え、ハンドサインで仲間と会話をしていました。
 必要以上に大声で周囲に迷惑をかけなければ、そこまで気を使う必要はない気がするけど、まぁいいか。

「アルジュナ様だ」
「守銭奴様だ」
「ぼったくり神だ」

 アー君になにやら不名誉な名称がついている模様。
 普段どれだけ冒険者からふんだくっているのだろうか。

「グラちゃんどこかな」
「あっちに人の群れがある」
『行ってみよー』
「ついでに屋台何か食べたいな」
「「ママ海鮮!!」」

 ハモッた。

「おう今朝入荷したばかりで新鮮だぞ」
「オヤジ……」

 アー君に話しかけたオヤジさんに冒険者の一人が何か耳打ちした。

「し、しつれい、しました! どうぞお好きなものをおっしゃってくださぁい!」
「アー君、普段何やらかしてるの?」

 頬が引きつった不自然な笑顔と裏返った声に、思わずアー君を見たけど視線をそらされた。

『僕ね、牡蠣食べたい』
「にいちゃ、俺はカニの足がいい」
「母上は?」
「え、えとサザエかな」

 ドンの所で食べたのと同じなら食べれる硬さだった気がする。

「シャムスが牡蠣、涼玉はカニの足、母上はサザエ、俺はイカの姿焼き」

 このお店の売りは海鮮焼き。
 港から直接仕入れているので新鮮そのもの、磯の香りも楽しめる。
 ヨムちゃんの大漁恩恵がこんな所にも。

「ご利用いただきありがとうございます!」

 お金払おうとしたら真っ青な顔で拒否されました。

「アカーシャ様のご家族からお金を受け取ったら商売出来なくなります!」

 アー君じゃなくアカーシャ?

「港街から城下に納品される海鮮物は全てアカーシャの商会を通してるんだ」

 僕はもう、どこにツッコミを入れたらいいか分からないよ。
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