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保護者の居ぬ間に

第464話

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 眉間をもみもみしながら雷ちゃんが盛大な溜息を吐いた。
 幼児の動作じゃないなぁ、でも中身は数万年な龍さんらしいから問題ない?

「明日への活力が生まれない。母上何かないか?」
「そうだねぇ」

 今夜のために持ち込んだ大量の天ぷらは食べ尽くされた。
 謎料理は全て出し切ったし、うーん、何かあるかなー?

「あっ、そうだ。パフェが残ってる」
「食べる」

 ドリちゃんが双子のために作ったのは、生クリームたっぷりイチゴパフェ、生チョコをこれでもかと使ったチョコパフェ、フルーツ特盛パフェの三つ。
 刀羅はチョコパフェ、鬼羅はフルーツパフェを食べたので、残っているイチゴパフェをどうぞ。

「うまぁ、イチゴの酸味が沁みる」

 パクパクと気持ち良い食べっぷりでパフェが減っていく。

 夢の中だから色々な食べ物を出せるし、味も食感もあるけれど、ドリちゃん料理には叶わないんだよねぇ。
 僕のイメージ力が足りないのかな?

「そう言えば雷ちゃん」
「ん?」
「皆どこに何しに行ってるの?」

 うっかり聞くの忘れてたけど、極秘じゃなきゃ教えてほしいな。

「どっかの孤島。この大陸から海を隔てた所に島があって、そこ魔大陸だったんだ」
「女神様が好きそう」
「凶悪な魔物がはびこっててな、生息する魔物は森の奥に進めば進むほど凶暴になって、古の山と呼ばれる山に出没するのは全てAランク以上、その山の主だった古龍が消えた」

 ふと脳裏に浮かんだのは騎士様に土下座する女神様の姿。

 もしかして騎士様に島の存在を内緒にしてた?
 それとも手を煩わせた事に対する謝罪?
 どちらにしろあの土下座はこの一件が関係してるんだろうなぁ、女神様ファイトー。

「古龍は魔物を間引く存在だったが、それが無くなって凶悪な魔物が溢れかえっているんだ。生態系が狂って凶悪な魔物がこちらの大陸を目指す前にどうにかするのが目的、あと別働隊が古龍を探しているがこちらも見つからない」

 なんか大変そう。
 こっちは好き勝手やってるけどちょっとだけ反省しておこう。

「人間が暮らせるような土地じゃなく、自然が溢れ返っていて我には好ましいのだがな。あと刀雲が滝の裏に洞窟を見つけて「ここにイツキを連れて来たい」って言ってた」

 滝を見て、じゃなく滝の裏での発言の時点でエロが駄々洩れです。
 帰って来てほしいような、帰って来てほしくないような、複雑な心境だね。

 話題変えよう。

「その古龍、どんな古龍だろうね?」
「女神が一度だけ姿を見たことがあるらしい、なんでも山のような巨体で、背中に希少な植物が群生していたって。最もその後は女神の気配を察知して姿を見せなくなったらしいが」

 背中に希少な植物、それって涼玉と同じだね……って。

「そろそろ起きなきゃ、ごちそうさまでした」

 両手を合わせて挨拶をすると同時に雷ちゃんの姿が薄くなり、ふわっと姿を消した。

「待って雷ちゃ――」

 その話題の古龍、涼玉のパパな気がする!
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