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射手の統領156 レトロな温泉街
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射手の統領
Zu-Y
№156 レトロな温泉街
半月を越える湯治休暇を終え、俺たちはマザを発つことにした。このまま北斗号を東都へ運ぶのだ。
東都で注文していた、シノブ用の濃紺の外套と濃紺のマントは、昨日のうちに東都に飛んで受け取って来ている。
この日、全員でお揃いの濃紺のマントを羽織った。いよいよ出発と、気が引き締まる。
シノベ本拠で舅どのに挨拶をし、そのまま東都への帰途に就く。
東都へのコースは、ガノラッパの町、ルナハの山を越えてポイカの温泉街、ジョンホーの農村、ワカエゴの町、そして東都だ。
シノブは初のセプトでの馬車旅で、ワクワクしているのが分かる。
現在、嫁たちの役割分担は、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、タヅナが御者席およびその後部座席で、交代しながら御者をしている。
アキナとキョウちゃんズはメイン車両屋上の見張台で、式神を飛ばして周囲の警戒だ。
シノブは、いざとなったら斥候として出動してもらうこともあるだろうから、見張台にいて、辺りを警戒してもらっている。それに見張台ならば、遠巻きについて来ている、ユノベ付きシノベ衆とも連絡が取りやすい。
「シノブ。シノベ衆はさ、普段はどうやって移動してるの?」
「移動手段は、走る、馬、流邏石でござるな。」
「走る?まさか馬車を追っ掛けてか?」
「そうでござるよ。」
「疲れないの?」
「1日10里程度なら、毎日でも問題はないでござるな。」マジか?
「凄いな。」
「慣れでござるよ。」慣れるものなのか?
初日の今日はガノラッパまで。道は来たときと同じで、クッサーの温泉街を経由し、往路と同じく日帰り入浴でクッサーの湯を満喫して、ガノラッパの町に入った。
ガノラッパでは、ガノラッパ一家にお礼を言いたいのは山々なのだが、向こうは俺たちを疫病神か貧乏神の如く嫌っているだろうと思うので、遠慮することにした。
ガノラッパに入って、北斗号を山髙屋ガノラッパ支店に預け、前回の宿屋に入った。皆で夕餉を摂った後、今宵は嫁会議なのでむふふな展開はなし。ちょっと寂しい。
その分、最近マイブームのどぶろくを呷って、早々に寝たのだった。
翌朝は快調な目覚めである。今日はなんかいいことがあるかもしれない。って思ったら、早速ありましたよ。むふふのふ。笑
朝餉の席で、嫁を代表してサヤ姉とサジ姉から、昨夜の嫁会議の決定について、申し入れがあった。
「シーちゃんが加わってアタルの嫁は8人になったわ。」そうだね。
「キョウちゃんズは…ふたり一緒…。でも…、嫁会議も…あるから…、輪番は…8日に…一度…。」そうだね。
「これだと、私たちは不満なの。」あ、そうなんだ。
「そこで…解決策…。」どんな?毎日3Pか?
「キョウちゃんズ…方式の…導入…。」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「今夜はあたしとサジ、明日はホサキとシノブ、明後日はキョウちゃんズ、明々後日はアキナとタヅナ。そして嫁会議。このローテーションよ。」
「異論は…?」
「ないない。ある訳ない。やったー!毎日3Pだー。」でも、張り切り過ぎて、腰をやらないようにしなければ。
原材料不足で今は品切れの、ゴム製品の避妊具が開発された当初、それまでの我慢の反動で、腰振り猿と化した俺は、七草まとめ食い(今は八草)から、連日の日替わり七草食いを続け、腰を痛めてしばらく禁欲生活を余儀なくされた苦い経験がある。
あの二の轍は決して踏むまい。そう心に誓う俺なのだった。
北斗号を受け取って、ガノラッパを出発し、アツマの河を馬手側に見つつ、流れに沿ってその北岸を東北東へ進む。しばらく行くと、アツマの河は進行方向を東南東へ転じる。そして、さらにしばらく流れに沿って北岸を行くと、再びアツマの河がその進行方向を東北東に転じる。
ここで俺たちは南東に向かってアツマの河を渡り、そのまま正面にそびえるルナハの山の山頂を目指して登って行く。
北斗号を曳く4頭の馬たちは、荷馬車の大型馬だ。馬力も強く、グイグイと北斗号を曳いて、ルナハの山を延々と頂上目指して登って行く。
ルナハの山の北西側の中腹で昼餉の休憩を取った。昼餉はついでで、ずっと登りだった曳馬たちを休ませるためである。
しかし4頭とも疲れた様子は一切見せず、暢気にマイペースで草を食んでいる。曳馬たちは、漆黒の青毛ノアール、純白の白毛ヴァイス、艶のある暗色の黒鹿毛ダーク、濃い鈍色の葦毛セールイだ。
馬と思念の交感ができるタヅナとキョウちゃんズに疲れ具合を聞いてもらった。
「なぁ、4頭とも大丈夫か?疲れてないかな?」
「4頭ともぉ、大丈夫ってぇ。言ってるわぁ。」
「本当か?無理してないか?」
ヒヒーン、ブルブルと嘶く曳馬たち。
「うーん、今のはそのまま通訳できひんな。」「せやなー。」
「え?じゃぁヤバいのか?やっぱり山越えじゃない方が良かったかなぁ。」
「いや、そうやのうてね、何ちゅーか…。」
「はっきり言ってくれよ。余計心配になるだろ。」
「ほな言うけどな、『疲れてないかだと?舐めとんのか?』って言ってんねん。」
「へ?」
「あとな、『俺たちの馬力とスタミナ、舐めんやないで。』って言うてはるわ。」
「それからぁ『お前ぇ、俺たちの飼い主ぃ、何年やってんだぁ、このぼけぇ。』ってぇ、言ってるわぁ。」
「口が悪いなぁ。」
ヒヒン、ブルル。
「え?何ぃ?…うんうん、そうよねぇ。
あのねぇ、『お前がぁ、しょうもないことぉ、聞くからだろぉ。』だってぇ。」
まじか?…ま、こいつら皆、頼もしいってことで。苦笑
「ちなみに、飼い主になってから、まだ1年経ってねぇけどな。」ちょっとだけ言い返してやった。苦笑
それから小1時間で山頂まで登り切った。ルナハの山の山頂は、カルデラ湖ができていて、なんと登山客も結構いるではないか。
途中、観光用馬車と間違われて、乗せて欲しい何組かの観光客に頼まれたが、丁重にお断りしたのだった。
どうやら、メイン車両の屋上の見張台のせいで、展望車両付観光馬車に誤解されたらしい。苦笑
山頂の湖を弓手側に見ながら、湖の南岸を回って東に向かって下りとなり、東北東へ下る道と、南東に下る道に分かれた。
東都に最短距離で帰るなら南東に下るのがいいが、東北東に下ると、中腹にポイカの温泉街がある。大して回り道でもないので、迷わずポイカ行を選択。今宵はポイカで泊まるのだ。
ポイカの湯は、クッサーの湯やコネハの湯に匹敵する名湯で、黄金の湯と白銀の湯がある。黄金の湯は橙色~茶色で、この正体は鉄分である。つまり、鉄分を多く含むせいで、鉄分の匂いもする硫酸塩泉なのだ。飲泉もできるので飲んでみたが、鉄臭くて口がひん曲がるかと思った。汗
この黄金の湯はポイカの代名詞とも言える、古くからの湯だ。
一方、白銀の湯は無色透明でメタケイ酸を含む単純泉だ。こちらは新しい湯だが、古くからの黄金の湯と対比して、白銀の湯と名付けられた。この白銀の湯は、黄金の湯との対比でなければ、さほど脚光は浴びなかったであろう。
温泉好きの俺としては、ぜひポイカの温泉街に行きたい。
「東都に行くにはちょっとだけ回り道になるけど、今宵はポイカの温泉街でいいよな?」
「「さんせー!」」と温泉大好きキョウちゃんズがソッコーで食い付き、他の嫁たちも全員賛成だった。満場一致でポイカの温泉街行きに決定。
ポイカの温泉街の名物は、温泉街の中央を貫く石段だ。365段もあって、下から上まで登るなら、結構覚悟がいる。もちろん石段を登らなくても迂回する道路があるがな。
この温泉街は、湯宿以外にも、宿泊客が楽しめるレトロなゲームの店が多数ある。弓での的当てや、パチンコの原型とも言われるスマートボールだ。
景品目当てで点数を稼ぐのだが、点数を稼ぐのにゲームにつぎ込んだ金額を冷静に考えると、買った方が安かったんじゃね?と思ってしまうが、商品ゲットまでの楽しんだ分が含まれてると思えば、諦め…じゃなかった、納得が行くと言うものだ。苦笑
俺たちも、温泉と夕餉を堪能した後に、湯宿の浴衣を着て、夜の温泉街に繰り出し、レトロゲームを大いに楽しんだのだった。
もちろん俺は、弓での的当てゲームでは図星に百発百中だったがな。
湯宿で夕餉は摂ったが、その後、温泉街に繰り出してレトロゲームで遊んだため、ちょこっと小腹が空いてしまった。
実はポイカの温泉街のすぐ近くにミズサーうどんの産地があり、ポイカの温泉街にもそのうどん店がある。ミズサーうどんは、ヌキサーうどん、イナニーうどんとともに、和の国三大うどんに数えられているのだ。※諸説あります。
温泉街にあるミズサーうどんの店に入り、皆で注文した。もりで出て来たミズサーうどんは、麺が細めで半透明であった。つけ汁は醤油ダレか胡麻ダレかを選択できたので、俺は胡麻ダレにした。
細い麺なのに腰が強く、ツルツルと食感が心地よい。小腹が空いていたせいもあって、みんなあっという間に平らげていた。もちろんキョウちゃんズはお代わりをしたけどな。笑
温泉街のレトロゲームで散々盛り上がり、ミズサーうどんを食って温泉街から湯宿に戻った俺たちは、当然、黄金の湯に直行だ。
そしていよいよ、サヤ姉とサジ姉と一緒にむふふタイムに突入だ。
3Pで盛り上がり、セーブが効かなくなった俺は暴走してしまい、ついつい最後の一線を越えてしまった。一応ふたりとも安全日だとは言ってたから、よしとする。でも気を付けねば…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/12/18
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№156 レトロな温泉街
半月を越える湯治休暇を終え、俺たちはマザを発つことにした。このまま北斗号を東都へ運ぶのだ。
東都で注文していた、シノブ用の濃紺の外套と濃紺のマントは、昨日のうちに東都に飛んで受け取って来ている。
この日、全員でお揃いの濃紺のマントを羽織った。いよいよ出発と、気が引き締まる。
シノベ本拠で舅どのに挨拶をし、そのまま東都への帰途に就く。
東都へのコースは、ガノラッパの町、ルナハの山を越えてポイカの温泉街、ジョンホーの農村、ワカエゴの町、そして東都だ。
シノブは初のセプトでの馬車旅で、ワクワクしているのが分かる。
現在、嫁たちの役割分担は、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、タヅナが御者席およびその後部座席で、交代しながら御者をしている。
アキナとキョウちゃんズはメイン車両屋上の見張台で、式神を飛ばして周囲の警戒だ。
シノブは、いざとなったら斥候として出動してもらうこともあるだろうから、見張台にいて、辺りを警戒してもらっている。それに見張台ならば、遠巻きについて来ている、ユノベ付きシノベ衆とも連絡が取りやすい。
「シノブ。シノベ衆はさ、普段はどうやって移動してるの?」
「移動手段は、走る、馬、流邏石でござるな。」
「走る?まさか馬車を追っ掛けてか?」
「そうでござるよ。」
「疲れないの?」
「1日10里程度なら、毎日でも問題はないでござるな。」マジか?
「凄いな。」
「慣れでござるよ。」慣れるものなのか?
初日の今日はガノラッパまで。道は来たときと同じで、クッサーの温泉街を経由し、往路と同じく日帰り入浴でクッサーの湯を満喫して、ガノラッパの町に入った。
ガノラッパでは、ガノラッパ一家にお礼を言いたいのは山々なのだが、向こうは俺たちを疫病神か貧乏神の如く嫌っているだろうと思うので、遠慮することにした。
ガノラッパに入って、北斗号を山髙屋ガノラッパ支店に預け、前回の宿屋に入った。皆で夕餉を摂った後、今宵は嫁会議なのでむふふな展開はなし。ちょっと寂しい。
その分、最近マイブームのどぶろくを呷って、早々に寝たのだった。
翌朝は快調な目覚めである。今日はなんかいいことがあるかもしれない。って思ったら、早速ありましたよ。むふふのふ。笑
朝餉の席で、嫁を代表してサヤ姉とサジ姉から、昨夜の嫁会議の決定について、申し入れがあった。
「シーちゃんが加わってアタルの嫁は8人になったわ。」そうだね。
「キョウちゃんズは…ふたり一緒…。でも…、嫁会議も…あるから…、輪番は…8日に…一度…。」そうだね。
「これだと、私たちは不満なの。」あ、そうなんだ。
「そこで…解決策…。」どんな?毎日3Pか?
「キョウちゃんズ…方式の…導入…。」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「今夜はあたしとサジ、明日はホサキとシノブ、明後日はキョウちゃんズ、明々後日はアキナとタヅナ。そして嫁会議。このローテーションよ。」
「異論は…?」
「ないない。ある訳ない。やったー!毎日3Pだー。」でも、張り切り過ぎて、腰をやらないようにしなければ。
原材料不足で今は品切れの、ゴム製品の避妊具が開発された当初、それまでの我慢の反動で、腰振り猿と化した俺は、七草まとめ食い(今は八草)から、連日の日替わり七草食いを続け、腰を痛めてしばらく禁欲生活を余儀なくされた苦い経験がある。
あの二の轍は決して踏むまい。そう心に誓う俺なのだった。
北斗号を受け取って、ガノラッパを出発し、アツマの河を馬手側に見つつ、流れに沿ってその北岸を東北東へ進む。しばらく行くと、アツマの河は進行方向を東南東へ転じる。そして、さらにしばらく流れに沿って北岸を行くと、再びアツマの河がその進行方向を東北東に転じる。
ここで俺たちは南東に向かってアツマの河を渡り、そのまま正面にそびえるルナハの山の山頂を目指して登って行く。
北斗号を曳く4頭の馬たちは、荷馬車の大型馬だ。馬力も強く、グイグイと北斗号を曳いて、ルナハの山を延々と頂上目指して登って行く。
ルナハの山の北西側の中腹で昼餉の休憩を取った。昼餉はついでで、ずっと登りだった曳馬たちを休ませるためである。
しかし4頭とも疲れた様子は一切見せず、暢気にマイペースで草を食んでいる。曳馬たちは、漆黒の青毛ノアール、純白の白毛ヴァイス、艶のある暗色の黒鹿毛ダーク、濃い鈍色の葦毛セールイだ。
馬と思念の交感ができるタヅナとキョウちゃんズに疲れ具合を聞いてもらった。
「なぁ、4頭とも大丈夫か?疲れてないかな?」
「4頭ともぉ、大丈夫ってぇ。言ってるわぁ。」
「本当か?無理してないか?」
ヒヒーン、ブルブルと嘶く曳馬たち。
「うーん、今のはそのまま通訳できひんな。」「せやなー。」
「え?じゃぁヤバいのか?やっぱり山越えじゃない方が良かったかなぁ。」
「いや、そうやのうてね、何ちゅーか…。」
「はっきり言ってくれよ。余計心配になるだろ。」
「ほな言うけどな、『疲れてないかだと?舐めとんのか?』って言ってんねん。」
「へ?」
「あとな、『俺たちの馬力とスタミナ、舐めんやないで。』って言うてはるわ。」
「それからぁ『お前ぇ、俺たちの飼い主ぃ、何年やってんだぁ、このぼけぇ。』ってぇ、言ってるわぁ。」
「口が悪いなぁ。」
ヒヒン、ブルル。
「え?何ぃ?…うんうん、そうよねぇ。
あのねぇ、『お前がぁ、しょうもないことぉ、聞くからだろぉ。』だってぇ。」
まじか?…ま、こいつら皆、頼もしいってことで。苦笑
「ちなみに、飼い主になってから、まだ1年経ってねぇけどな。」ちょっとだけ言い返してやった。苦笑
それから小1時間で山頂まで登り切った。ルナハの山の山頂は、カルデラ湖ができていて、なんと登山客も結構いるではないか。
途中、観光用馬車と間違われて、乗せて欲しい何組かの観光客に頼まれたが、丁重にお断りしたのだった。
どうやら、メイン車両の屋上の見張台のせいで、展望車両付観光馬車に誤解されたらしい。苦笑
山頂の湖を弓手側に見ながら、湖の南岸を回って東に向かって下りとなり、東北東へ下る道と、南東に下る道に分かれた。
東都に最短距離で帰るなら南東に下るのがいいが、東北東に下ると、中腹にポイカの温泉街がある。大して回り道でもないので、迷わずポイカ行を選択。今宵はポイカで泊まるのだ。
ポイカの湯は、クッサーの湯やコネハの湯に匹敵する名湯で、黄金の湯と白銀の湯がある。黄金の湯は橙色~茶色で、この正体は鉄分である。つまり、鉄分を多く含むせいで、鉄分の匂いもする硫酸塩泉なのだ。飲泉もできるので飲んでみたが、鉄臭くて口がひん曲がるかと思った。汗
この黄金の湯はポイカの代名詞とも言える、古くからの湯だ。
一方、白銀の湯は無色透明でメタケイ酸を含む単純泉だ。こちらは新しい湯だが、古くからの黄金の湯と対比して、白銀の湯と名付けられた。この白銀の湯は、黄金の湯との対比でなければ、さほど脚光は浴びなかったであろう。
温泉好きの俺としては、ぜひポイカの温泉街に行きたい。
「東都に行くにはちょっとだけ回り道になるけど、今宵はポイカの温泉街でいいよな?」
「「さんせー!」」と温泉大好きキョウちゃんズがソッコーで食い付き、他の嫁たちも全員賛成だった。満場一致でポイカの温泉街行きに決定。
ポイカの温泉街の名物は、温泉街の中央を貫く石段だ。365段もあって、下から上まで登るなら、結構覚悟がいる。もちろん石段を登らなくても迂回する道路があるがな。
この温泉街は、湯宿以外にも、宿泊客が楽しめるレトロなゲームの店が多数ある。弓での的当てや、パチンコの原型とも言われるスマートボールだ。
景品目当てで点数を稼ぐのだが、点数を稼ぐのにゲームにつぎ込んだ金額を冷静に考えると、買った方が安かったんじゃね?と思ってしまうが、商品ゲットまでの楽しんだ分が含まれてると思えば、諦め…じゃなかった、納得が行くと言うものだ。苦笑
俺たちも、温泉と夕餉を堪能した後に、湯宿の浴衣を着て、夜の温泉街に繰り出し、レトロゲームを大いに楽しんだのだった。
もちろん俺は、弓での的当てゲームでは図星に百発百中だったがな。
湯宿で夕餉は摂ったが、その後、温泉街に繰り出してレトロゲームで遊んだため、ちょこっと小腹が空いてしまった。
実はポイカの温泉街のすぐ近くにミズサーうどんの産地があり、ポイカの温泉街にもそのうどん店がある。ミズサーうどんは、ヌキサーうどん、イナニーうどんとともに、和の国三大うどんに数えられているのだ。※諸説あります。
温泉街にあるミズサーうどんの店に入り、皆で注文した。もりで出て来たミズサーうどんは、麺が細めで半透明であった。つけ汁は醤油ダレか胡麻ダレかを選択できたので、俺は胡麻ダレにした。
細い麺なのに腰が強く、ツルツルと食感が心地よい。小腹が空いていたせいもあって、みんなあっという間に平らげていた。もちろんキョウちゃんズはお代わりをしたけどな。笑
温泉街のレトロゲームで散々盛り上がり、ミズサーうどんを食って温泉街から湯宿に戻った俺たちは、当然、黄金の湯に直行だ。
そしていよいよ、サヤ姉とサジ姉と一緒にむふふタイムに突入だ。
3Pで盛り上がり、セーブが効かなくなった俺は暴走してしまい、ついつい最後の一線を越えてしまった。一応ふたりとも安全日だとは言ってたから、よしとする。でも気を付けねば…。
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更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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