射手の統領

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射手の統領155 休暇満喫

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射手の統領
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№155 休暇満喫

 流邏石でマザから東都に飛んだ。

 さて、まずは装備屋だ。東都のギルマス、タケクラに紹介されてから、ずっと懇意にしている装備屋に行って、濃紺の外套と濃紺のマントを注文した。濃紺の外套は防寒装備、濃紺のマントは耐暑装備である。
 濃紺は、セプトのイメージカラーとして、「濃紺の規格外」と言う通り名とともに、広く定着している。

 それからランジェリーショップへ行った。シノブの部屋着、つまり透け透けネグリジェと、間もなく誕生日のキョウちゃんズに、誕生日プレゼントとしてむふふなランジェリーを購入するのだ。
 最初にシノブの透け透けネグリジェを探した。シノブのイメージカラーは、隠密行動から連想される黒。実際、装備も黒装束だし。
 じきに皆と同じデザインの透け透けネグリジェを見付けた。
「あー、これこれ。」
「こ、こ、こ、こんな大胆なものを着るのでござるか?」ん?あ、そうか、マザの湯宿では、普段の嫁たちは湯宿の浴衣を着てるもんな。透け透けネグリジェは夜の輪番のときしか着てないんで、シノブはまだ見たことがないんだ。
「皆、部屋着として普通に着てるよ。廻船で移動するときも、船室の中では大体これだな。」
「しかし、かなり透けてござるぞ。」
「そうだけど、その姿を見るのは俺だけだし。」
「…。」真っ赤になるシノブ。

「それとこれな。」俺は、むふふなランジェリーをふたつ手に取った。サキョウ用に紫、ウキョウ用に橙である。正面は一応小さな三角形だけれども、Tバックの紐パンだ。
「ほとんど布がないではござらぬか。」
「嫁たちも流石にこれにはドン引きしてさ、ネグリジェしか購入に同意してくれなかったんだけどな。」
「当然でござる。」
「だからさ、俺が誕生日プレゼントとして買って上げてるんだよ。もうすぐ、サキョウとウキョウの誕生日だからさ。」
「え?サーちゃんとウーちゃんにこれを穿かせるのでござるか?」
「あいつら、ノリがいいから喜んで穿くだろ。透け透けネグリジェだってあのふたりが着てみたいって言って購入が決まったしな。」
「しかしこれを常時穿くのは…。」
「違う、違う。俺とHするときだけだって。流石にこれを普通の下着としては使わないよ。」大胆過ぎる誤解に気付き、無言のまま真っ赤になるシノブであった。

 東都で買い物を終えた後は、テンバのユノベ館に飛んだ。叔父貴たちにシノブを引き合わせるのだ。

 表座敷で叔父貴たち3人にシノブを引き合わせた。
「叔父貴どのたち、シノベの一の姫、シノブ姫だ。」
「不束者ですが、よろしくお願い致しまする。」
「ふむ。こちらこそよろしくな。」と二の叔父貴。
「シノブ姫はくノ一かな?」と三の叔父貴。
「左様でござりまする。」
「シノブは最近、ユノベ付きのシノベ衆のまとめ役になったんだけどな、俺と婚姻するんでお役を返上したんだ。」
「シノベ衆はいつも頭巾を被っておるのでな、顔を見るのは初めてだな。それにしても別嬪な姫よな。
 アタルの嫁御は美人ばかりではないか。」と末の叔父貴。
「まぁな。ところでシノブを家来どもにも紹介したいが?」
「明日、家来どもを集めよう。」
「ところでアタル、サキョウとウキョウは来るのか?」
「いや、シノブの披露目だから俺とシノブだけだな。」
 それを聞いて、明らかにホッとする叔父貴たち。さては、宴になると、家来どもを煽りに煽って潰しまくるキョウちゃんズを警戒しているな。笑

「アタル、実はもうひとつ相談があるのだがな。」
「ん?なんだ?二の叔父貴どの。」
「そろそろ姉貴たちを許してやってはくれまいか?」
「俺が許すも何も、それはトノベの舅どのとヤクシの舅どのがお決めになることで、俺がどうこう言えることではないと思うが?」
「そうなんだがな、トノベどのとヤクシどのに口添えをしてやって欲しいのだ。」
「叔父貴どのたち、伯母御どのたちから取り成しを頼まれたな。」
「いや、何も頼まれてはおらぬ。尼寺での近況を認めた手紙が来ただけだ。」二の叔父貴が慌てて否定した。

「その手紙には『外界との連絡を絶ち、身を律して反省の日々を送っている。』と書いて来ておる。」と三の叔父貴が言うが、外界との連絡を絶っているのに、なぜ手紙が届くのだ?とツッコみたくなる。
「なぁ、三の叔父貴。手紙はどちらの伯母御からだ?」
「もちろん両方からだ。」ははーん、やはり双子の伯母御たちは連絡を取り合ってやがるな。
「それにな、『振り替えるに、いかに自分たちが我儘に振る舞って来たか。俺たちにも随分きつく当たってすまなかった。』ともな。」と末の叔父貴が伯母御たちを庇った。
「それはいい傾向だな。」
「で、あろう?だからな、そろそろ…。」
「甘いっ!」末の叔父貴の言葉を俺は遮った。
「「「え?」」」

「本当に反省していたらな、『自分は反省している。』などと言っては来ぬものぞ。」
「しかし…。」
「外界との連絡を絶っているにも拘らず、どうして同じタイミングでふたりの伯母御どのたちから手紙が届くのだ?」
「それは…。」
「それにな、俺にはその手紙は来ておらぬ。なぜその手紙は、叔父貴どのたち宛なのだろうな?」
「「「…。」」」黙り込む3人の叔父貴たち。叔父貴たちは御しやすいと、双子の伯母たちに舐められているのだ。それに気付いたろうか?
「そこのところをよく考えてな。」
「「「うむ。」」」
「それからな、今後は伯母御どのたちからの手紙には一切取り合うな。返信もしなくてよい。それでもしつこく手紙を寄越すようなら、俺が『トノベとヤクシの内情に口を挟むつもりはない。』と言っていたと返信しておいてくれ。」
「分かった。」二の叔父貴の返事はか細かった。

 それから俺とシノブはマザに飛んだ。温泉宿では嫁たちがすっかり寛いている。湯宿の浴衣姿で寛いでいるのが、またなんともいい風情なのだ。
 俺も早速、露天に入って寛ぐ。あー部屋付き露天って最高だな。でも一度は本館の大浴場にも行ってみてもいいな?

 日が暮れて、豪勢な夕餉を食い、そして楽しい楽しい夜のひととき、またの名をむふふタイムと言う♪
 今宵の輪番はタヅナ。タヅナはじっくりねっとり攻めると我を忘れて暴走するので、そのギリギリのラインを攻めるのが面白い。
 夜更けまでタヅナとの攻防は続いたのだった。

 そして翌日。
 この日は、俺とシノブだけ、テンバに飛んで、集まった家来どもにシノブを紹介した。そしてそのままユノベ恒例、無礼講の宴となった。
「若ー、今度の奥方も別嬪じゃのう。」「まぁな。」
「若ー、潰れたりしちゃいかんぞ。」「おう、もう大丈夫だ。」
「若の大丈夫は心配でならんのう。」「そんなことは…。」
「そうじゃそうじゃ。」×多。家来どもが俺の反論を遮ったのだった。
 それから家来どもが次々と、俺とシノブに注ぎに来るので、あーキョウちゃんズを連れて来ればよかった。と、若干、後悔したのだった。苦笑

 午前中からすっと宴で、そろそろ夕刻である。ユノベの宴は、基本丸1日続く。そろそろマザに戻るか。
「皆の者、遠慮なく呑み食いして行けよ。」
「おー。」×多。と歓声が上がった。

 宴を切り上げてマザへ帰る準備をしていると、
「アタル、ユノベの呑み会はいつもこんな感じでござるか?」
「うん。」
「アタルと家来どもは近しいのでござるな。」
「普段は主従関係もピシッとしてるよ。呑み会だけはそれを取っ払うけどな。そうしないと、家来どもがゆっくり呑み食いできないのでな。シノブはこの雰囲気は苦手か?」
「いや、大丈夫でござる。」
「俺は幼い頃に両親を亡くしているので、叔父貴どのたちや家来どもに慈しまれて育った。だから叔父貴どのたち同様に、家来どもは俺の家族って感じだな。」
「そうでござったか。」

 宿屋に戻って夕餉となったが、俺もシノブもユノベの宴で結構呑み食いして来たので、腹いっぱいである。
「腹いっぱいで食えねぇ。」と言うと、キョウちゃんズが眼をキラーンと光らせて、俺とシノブの夕餉を引き取ってくれた。笑

 で、今宵の輪番はアキナ。眼鏡プレイのアキナ。
 夜のむふふタイムが限定だが、アキナはあらゆる眼鏡を駆使して、いろいろな女性を演じ分ける女優なのだ。
 今宵の眼鏡は、内気な女の子バージョン。
 小振りな双丘を揉み揉みすると、
「あ、ダメ。あ、そんなとこまで…。」すでにアキナのなりきり演技は始まっていたのだった。笑

 その翌日はガハマの家来どもに披露目。ここでも無礼講だったのは言うまでもなかろう。

 それから1週間程、湯宿でぶらぶらした。気が向いたら温泉に浸かり、本館の大浴場にも足を伸ばした。休暇をのんびり満喫したのである。
 5泊延長してトータルで半月ちょい特別室にいた。ガノラッパ一家からせしめた和解金の、俺たちの取り分大金貨7枚を、すべてこの休暇にぶっ込んだが、それでも少し足が出た。まぁいい。ご褒美なのだから。
 延長を申し出たときの女将の笑顔と言ったらなかった。それにしても、あっさり延長できるなんで、この特別室は予約が入ってないのか?実はあまり需要がないのかな?確かにお高いからな。

 途中、シノブが嫁会議にデビューし、キョウちゃんズの誕生日も来た。キョウちゃんズの誕生日は、もちろん皆で誕生日パーティだ。
 俺からのプレゼントはもちろんむふふなランジェリー。キョウちゃんズは、
「あー、やっぱりこれな。サキョウ、予想通りやで。」「そうやろうと思とったわ。」と呆れ顔だったが、実用的でいいのだ。早速その晩に活躍したしな。

 そしてむふふタイムである。今宵はキョウちゃんズの誕生日なので、輪番を入れ替えてふたりと3Pなのだ。
 透け透けネグリジェとむふふなランジェリーを付けたキョウちゃんズに、マイドラゴンは臨戦態勢だ。笑
 背もすっかり伸びて、俺に背丈が追い付きそうなキョウちゃんズは、いつの間にか嫁たちの中で一番高くなっていた。
 すらっと伸びた肢体はモデルのようで、もはや大人だ。とても今日で14歳には見えない。
「お前ら、伸びたよなぁ。」
「せやね、ぎょうさん食べとるさかいな。」
「これもライはんとウズはんが、ちんちくりんだった原因を教えてくれたおかげや。」
「それとアタル兄やな。」
「せやな、嫌がらんとぎょうさん刺激してくれはったもんな。」
「俺も楽しんでたよ。」
「今はな。でも最初の頃はペッタンコやったから嫌々やっとったやないの。」
「嫌々と言うか…、最初は抵抗があったんだよ。俺、ロリコンじゃないから。」
「せねやー、うちらがドラちゃん手懐けたときは、ホンマに凹んどったもんねー。」
 ああ、あれな。
 俺が酔い潰れている間に、サヤ姉とサジ姉が、自ら開発したマイドラゴン調教法を、キョウちゃんズにも伝授しやがったせいで、それまで幼児体型のキョウちゃんズには見向きもしなかったマイドラゴンが、反応するようになって、いやぁ、焦った、焦った。苦笑

「ま、今は大人だけどな。」あそこ以外は。キョウちゃんズはつるりんこのパイパン少女なのだ。
「あー、今、いけずな顔しよった。大人やと思てないやろー。」
「思ってるよー。」むにむにと小振りな双丘を揉みしだく。
「あ、分かった。ツルツルやと思とったんやな。」
「え?」図星を刺されてキョドる俺。
「さっきから胸しか弄らんやん。」「それに今、キョドってるしな。」

 最後は、ふたりに平謝りする俺だった。汗

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設定を更新しました。R4/12/18

更新は月水金の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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