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4話

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パーティーでの騒動がようやく落ち着いてきたころ。
わたくしは王妃様からお茶会に誘われて、侍女を伴い王宮に上がっていた。

「……そちらはあなたの侍女?」

「はい。マリア・シモンズと申します。王妃陛下」

あの時レオンの側にいた女性はわたくしの侍女のマリア。
マリアはわたくしの命でレオンに近づいていました。

「ご依頼通り。レオン元王子の失脚は完了しましたわ」

「ありがとう。……といっても、あの二人なら勝手に自爆していたかもしれないわね」

「まあ……そうですわね」

今回の騒動は予め計画されていたものでした。
国王だった人と王太子だった人。二人が王家にいることによる国の将来を不安視した王妃様は、わたくしの生家であるエヴァンス公爵家に二人を失脚させるように依頼してきました。

「側妃様も王宮から追放されたんでしたっけ?」

「ええ。これで何の憂いもなく息子が王位に就けるわ」

王妃様の息子の王子殿下は、王妃様の血を引いて大変優秀なお方で、外交で十分な実績を残されている。
まもなく王位に就く手筈となっている。

そもそもレオンが王太子に就いていたのは完全の国王の独断だった。

側妃からお願いされた。

それだけの理由で王太子に任命したものだから、どうしようもない。

「それにしてもあの二人。本当に国庫の横領をしてたのですね」

「ええ。息子の方も父親に似て杜撰なやり方だったから証拠が分かりやすく残ってたわ」

調べた結果。国庫の半分近くを二人で横領していたというから驚きだ。
勿論、彼ら単独で出来るまねではない。彼らに手を貸して甘い蜜を吸っていた貴族たちだ。
その貴族たちに対しては、爵位剥奪や領地没収を行い、国庫の横領分に充てた。
それでも足りないほどの額を横領していたものは、鉱山奴隷へと身分を落としその利益から徴収した。


王位をはく奪された元国王は、北の塔と呼ばれる罪を犯した王族が収容される場所に移された。
移されてからも悪態をついていた元国王は、早々に毒杯を賜ることになった。


レオン元王太子は、平民となり王都を追放された後、定職に就くこともできずに物乞いになり果てた。

「俺は国王なんだ! お前らは俺の世話をしろ!!」

等と面倒を見ようとした親切な人に対して喚いていた様子をみたていた他の人から、「頭のおかしいやつがいる」とうわさが広がり、ついには誰からも相手にされることはなくなった。
やがて人知れず、路地裏でひっそりと死んだ。
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