FASTは「好みのチャンネルを選べる」ことに価値があり、アメリカのFASTは1サービスに何百ものチャンネルがある。BBMは10チャンネルからのスタートだが、今後どこまで増やせるか。というのは、日本はアメリカと違って配信と放送で著作権が分かれており、また番組流通市場も存在しない。いまだに「放送型」から業界が脱却できていないのだ。そんな中で、チャンネルを増やすのはかなり難しいだろう。
活路として彼らが見いだしたのが、YouTuberだ。若い層を獲得するには、無理にテレビ番組を集めなくても、YouTuberのコンテンツでチャンネルを構成したほうがこの「日本初のFAST」に合うかもしれない。あらゆるジャンルのYouTuberがいるので、チャンネルはどんどん増やせそうだ。
もう一つの懸念は、TV Stickの「今さら感」だ。いま、テレビを買い換えると自動的にスマートテレビを使い始めることになる。テレビにほとんどの配信サービスが内蔵され、1つのリモコンでNetflixからTVerまでボタンを押せば楽しめる。リモコンを持ち替える必要があるTV Stickを日常的に使うかとの疑問がある。
これについて、BBMはすでにテレビメーカーと話を進めておりFireTVにも搭載されるそうなので、時間の問題かもしれない。
懸念点はあるが、私はこの日本初のFASTサービスに期待している。私好みのチャンネルができれば、Netflixに疲れたときに見ると思う。動画配信サービスは、まだまだ広がりがある領域だ。私の生活を楽しませてほしい。