3年で株価33倍も、米国株「株価上昇率」ランキング

エヌビディアを率いるジェンスン・フアンCEO。生成AIブームを追い風に同社の株価はこの1年で3.6倍に上昇(写真:ブルームバーグ)

世界を席巻するGAFAM(グーグル親会社のアルファベット<GOOGL>、アップル<AAPL>、メタ・プラットフォームズ<META>、アマゾン・ドットコム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>)が上場するアメリカ市場。生成AI(人工知能)の拡大とともに業績を伸ばす半導体大手エヌビディア(NVDA)や、EV(電気自動車)世界最大手のテスラ(TSLA)の2社を加えた7銘柄「マグニフィセント・セブン」という言葉が生まれるなど、超大型銘柄が株価を競い合っている。

そんなアメリカ市場で株価が上昇した銘柄はどれか。

4月22日(月)発売の『米国会社四季報』2024年春夏号では、アメリカの株式市場に上場する主要銘柄について、株価上昇率が高い順にランキングした。算定の基となる株価は2024年3月8日の終値。対象は『米国会社四季報』2024年春夏号の掲載銘柄だ。

新興・大型銘柄が続々

まず過去1年の上昇率を見てみよう。

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1位はサーバーシステムの大手サプライヤー、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)。

カリフォルニアに本社を置くSMCIは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル(INTC)などからCPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)などを仕入れ、データセンターや高性能コンピューター向けのサーバーとして提供。設置や保守・運用サポートも展開する。エヌビディアとともに注目が集まり、AI関連銘柄の一角として注目を浴びている。

業績も好調だ。2023年6月通期の売上高71億2300万ドル、純利益6億3900万ドルだったが、2024年6月期には売上高146億6000万ドル、純利益13億2600万ドルを見込む。来期以降も業績は拡大する見通し。

その結果、株価は1年で11倍に上昇。たった1年でテンバガー(株価10倍)を達成した。2024年3月からはアメリカを代表する株価指標「S&P500指数」の採用銘柄にもなっている。

SMCIをスター企業に押し上げた要因の1つである、エヌビディアも5位に入った。株価はこの1年で3.6倍に拡大。2025年1月期の純利益予想は612億700万ドルと、2024年1月期実績の297億6000万ドルから倍増する。業績の拡大に伴い、株価の上昇余地がまだまだ期待できそうだ。

2位はアプリ広告プラットフォームとゲーム事業のアップラビン(APP)。2022年12月期に赤字転落となるなど業績が低迷していたが、2023年12月期には黒字に転換。2024年12月期も黒字を維持したうえで、業績が伸びる見通しだ。

半導体や製薬が上位に

次に3年前比の株価上昇率を見てみよう。

1位はスーパー・マイクロ・コンピューター、2位はエヌビディアとなった。スーパー・マイクロ・コンピューターは3年で33倍、エヌビディアは同7.5倍だった。

3位はエナジードリンクのセルシウス・ホールディングス(CELH)で、4位は全米有数の住宅用建築資材サプライヤーであるビルダーズ・ファーストソース(BLDR)だった。

上位で注目したいのは製薬2社だ。6位のノボ・ノルディスク(NVO)、7位のイーライリリー・アンド・カンパニー(LLY)ともに株価は3年前比で約4倍に。両社とも肥満症治療薬が起爆剤だ。ノボは「ウゴービ」、イーライリリーは糖尿病向け「マンジャロ」と肥満症向け「ゼプバウンド」への成長期待が株価を牽引した。

「1年前比」「3年前比」の両ランキングともに入ったのは、半導体大手のブロードコム(AVGO)、同アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、半導体検査装置大手のKLA(KLAC)といった半導体関連のほか、データセンター向けネットワーク機器のアリスタ・ネットワークス(ANET)、EMS(電子機器受託製造)世界大手のジェイビル(JBL)、PC世界大手のデル・テクノロジーズ(DELL)、住宅メーカーのパルトグループ(PHM)、アパレル大手のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)、カジュアルシューズのデッカーズ・アウトドア(DECK)などだった。

なお、『米国会社四季報』2024年春夏号では、「配当利回りトップ50」「連続増配年数トップ50」「増益率トップ50」など合計13本のランキングを掲載している。ランキングをうまく活用すれば、効率的に銘柄が選べる利点がある。