さらに、「お客さまが喜んだ暁には、どのような未来が待っている? どのような社会貢献につながる?」など、まったく違った視点で企画や状況を見ることで、客観的に、冷静に企画を捉えることができます。
そのうえで企画の強み等を、上司に伝わりやすい言葉で伝えれば、共感が得やすく、承認を取りやすくなります。
一社員としての意見、経営者サイドの視点が抑えられるため、とても好感を持たれ、期待をもって、ムズムズしながら、あなたの企画を検討することでしょう。
このように、3つの視点でものを見ると、視座が上がり、視野が広くなるため、相手が見えていない可能性や新たな選択肢、世界を提案することができ、相手に刺激や気づきを与え、ムズムズさせることができるのです。
人は「気になってしょうがない」とムズムズします。その秘訣は、「相手の脳に空白をつくって話を終わらせる」ことです。
これができるようになると、あなたはストレスなく、相手をムズムズさせることができます。そして、自発的に、積極的に、能動的に動かしてあげることができ、お互いにストレスがなく良好な人間関係が築けます。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と心理学者のアルフレッド・アドラーは述べていますが、そんな人間関係のお悩みが、丸っと消えると言っても過言ではありません。
どのようにしたら、相手の脳に空白をつくれるのか? この秘訣については、脳の仕組みについてお話ししてから、具体的にお伝えしていきますね。
さて、こんな風に話された後、私が脳の仕組みについてお話ししたところで、あなたは上の空ではないですか?
「ストレスなく相手をムズムズさせる秘訣」のことが気になってしょうがないはずです。これが「相手の脳に空白をつくる」ということです。
目的のものが出てくるまで、何度もカプセルトイを回したり、映画の予告に惹かれて、公開日に見に行ったことはありませんか? チラッと見せたり、含みを持たせたことを言ったりすると、核心に触れないからこそ、人はその核心が気になります。
脳は、答えがわからない状態に居心地の悪さを感じます。だからこそ、空白があると、興味がより一層膨らみ、それを見たくて聞きたくて手に入れたくてしょうがなくなる。確認するには、足を運ぶしかない、質問してみるしかない、購入するしかない……となるのです。
すべてを話さず、要点だけ話し、結論を言わないこと。そうすることで、人は、脳の中の空白を埋めるべく未来像をイメージし、人はワクワクムズムズします。
そして、「私にできる? というか、やりたいな」「できたとしたら……」など、ワクワクする「?」をたくさん生む会話をしましょう。
「伝える」と「伝わる」は違います。だからこそ、まずは相手を知ること。そのうえで、ドラえもんのように、相手に合った道具を差し出していくといいですね。
そして、誰もが「自分を理解してほしい」と思っているので、相手の気持ちを組んでいくことです。すると、理解された相手は、さらにあなたに心を開き、本音で語ってくれるようになり、ムズムズも引き出しやすくなります。そして楽しみを後にとっておいてあげれば、ムズムズは引き出せるはずです。