◆仕事で相手と会話するとき
思ったことをすぐに口に出してしまう人、あなたの周りにはいませんか?
例えば、会社の方針説明会があったとして、終わった直後のランチの席で「あんな売上目標なんて無理に決まっているじゃないか! 会社はいったい何を考えているんだ」なんて言う人です。
これが一般社員同士の会話なら、たまにはストレス発散としていいかもしれません。しかし、この発言をしているのが例えば課長で、一緒にランチをしているのが部下だったとしたら、これは不適切な会話と言わざるを得ません。
「ちょっと待った! そんなこと言ってしまっていいの?」という状況です。自分の上司がそんなことを言っていたら、部下としてはモチベーションダウンもいいところですよね。
このように「思ったこと」を不用意に発言する人は、リーダーになれない人……というよりも、リーダーになったら周囲に悪影響を及ぼしてしまう人です。
リーダーになりたてで、まだ一般社員だったころの感覚が忘れられない人が陥りやすい、典型的な失敗パターンだったりします。
一方、リーダーになれる人は、「自分の発言によって、聞いている相手がどういう状態になればハッピーか?」「聞いている相手にどう思ってほしいか?」などを逆算して、会話のシナリオを考えてから発言します。
つまり、受け取る側の感情から発言を考えることができるのです。
もし、会社の方針説明会でかなり厳しい売上目標が示されたとしても、こんなふうに考えます。
こんな形で、あなた自身の脳内で会話(セルフコーチング)をしながら、どんな形で言葉を伝えるのがいいのか、策を練っていくわけです。
例えばこんな言葉を伝えてみるのはどうでしょう。
「売上目標自体は非現実的なのはみんなわかっていることだよね。会社が決めたことだから、それに向かってがんばることは必要なんだけど、例えばこれを、みんな1人ひとりの個人競技ではなく、チームのミッションだと考えて、お互いにどんな協力をすれば、より目標達成に近づくのかを考えてみるのはどうだろう? せっかくの機会だから、チームワークよく仕事をするというテーマで動いてみるのはどうかな?」