いかがですか?
ふむ。ここでも、きっと「違いがわからない」という声をあげてくださっている読者の方がいらっしゃるかもしれませんね。
例えば、あなたが感情に任せて、「こんな売上、達成できるわけがない! 会社は何を考えているんだ! でも、会社が言っていることだから、みんなも売り上げが上がるように何とかがんばってくれよな」
と伝えたとすれば、受け取る側にはきっとマイナスの影響が働くでしょう。
相手がポジティブに受け取るか、ネガティブに捉えるか、常に対比を考えながら発言を選ぶことができるのが、リーダーになれる人です。
ここでも、チームを率いるリーダーが自分の感情曲線をしっかり捉え、自分の感情をなるべくポジティブな方向に向けながら発言する内容を吟味しています。
優れたリーダーは、自然にそういうことをやっているものです。
事実、知り合いの「できるリーダー」たちに、「何を伝えるかをあらかじめ考えてから、部下に言葉を発信していますか?」と聞くと、全員が口をそろえてこう答えてくれました。
「林さん、そんなこと、当たり前じゃないですか」
部下や一緒に働くメンバーに「感じてほしいこと」や「考えてほしいこと」は、会社の業務の流れの中である程度決まっているものでしょう。それなので「チームの長がそちらの方向に向かうように、水を向けるのは当然のこと」というのが、できるリーダーたちに共通する認識でした。
できるリーダーにとっては、「ゴールを目指して、会話の仮説を立ててから話す」ことは、当然のことなのです。
リーダーにとって、メンバーの心をがっちり掴む「人心掌握」は大切な要素です。その人心掌握のためには相手の感情を先回りして想定し、相手がほしいと思う言葉を投げかけられることが大切なのは、言うまでもありません。