(インタビュアー:長谷川晶一)
――前回は2024年シーズンをふり返っていただきましたが、今回もその続きから伺います。フェニックスリーグも終わり、現在は秋季キャンプの真っ只中です。前回のお話では、「チーム内でのいい関係が築けなかった」という発言もありました。こうした課題は、この秋季キャンプや来年の春季キャンプでとことん潰していくことと思いますが、チーム内の意識革命はどのように進めていくのでしょうか?
髙津 これは、そう簡単なことではないと考えています。ただ、「選手には何も非はない」ということは最初に言っておきます。あくまでも、僕も含めた指導者側、こちらが「しっかり意図を伝えられているかどうか?」ということですから。コーチも8人、9人いて、監督である僕もいて、結構な人数ですけれども、その全員がチームの決まりごとや、やるべきことを選手にしっかり伝えていかないと、選手はどんどん動きづらくなっていく。やりやすい環境を整えられなかった。あくまでも、僕ら側の問題だととらえています。
――来年のコーチ人事もほぼ確定しました。「いかに選手たちにチームの方針を徹底させることができるか?」という課題実現のためには、監督とコーチ陣との意思の疎通、意識の共有が大切になります。監督の考えを共有できるコーチの存在が重要となりますね。
髙津 その通りですね。それもまた簡単なことではないと考えています。今回新たにコーチになる人もいるし、初めまして!の人もいる。立ち位置が変わる人もいるので、自分のことだけで精いっぱいにならないようにしたいなと思いますね。我々もしっかり視野を広げて、「選手のためにどうしたらいいのか?」ということを考えてやっていきたい。そういう意味では、来年はもっともっと厳しくなっていくシーズンなのかなと思います。
――現役を引退したばかりの山崎晃大朗、西浦直亨新コーチが誕生しました。こうした新人コーチを育てることも監督の役目だと思いますが、この点については?
髙津 コーチングに関して、こちらから「ああしろ、こうしろ」と言うことはないですね。コーチを指導するということはあまり意識していなくて、日々の指導の中から「こういうときは、こうしなければいけないんだ」「こういうときは、こういう言葉を使えばうまく伝わるんだ」と、コーチ自身が勉強してくれるのがいちばんだと思います。
――監督ご自身もコーチ経験がありますし、二軍監督もやられていますけれども、そうしたことは手探りの中でつかんでいったのでしょうか?
髙津 例えば、僕がコーチで戻ってきたときは小川淳司監督でしたけれど、選手に対してどういう言葉を投げかけているのかを参考にしました。現役のときも、野村克也監督や若松勉監督、古田敦也監督が、コーチの方々に向かって、どういう言葉で指示を出したりしているのかを気にしながら見ていました。みんなそういう感じで、手探りで勉強していくものだと思います。だから、「僕の立ち居振る舞いも、彼らにとっての勉強の一部なんだ」と思って、行動、発言していかなきゃいけないなと思っています。