東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

「このままじゃ終われない――」
続投要請を受諾した髙津監督は来季をどう戦うのか。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――9月24日、来シーズンの監督続投の発表がありました。改めて1年契約を結ぶことになりましたが、契約に至るまでの経緯を教えてください。

髙津 いや、もう数日の間にパパッと決まりましたね。監督続投の要請をされて、即決ではないですけれど、早い段階で「来年も頑張ります」というような形にはなりました。

――これまで監督のお話を伺っていると、「自分は相当な負けず嫌いだ」というコメントが何度もありました。昨年、今年と連続5位という結果を受け、「このままでは終われない」という思いが、要請を受け入れた大きな理由なのでしょうか?

髙津 そうですね、それがいちばん大きな理由かもしれないですね。いろいろなことを考えましたけれど、確かに「このまま終われないな」という気持ちが強かったです。それは負けず嫌いの性格にも繋がってくるのかもしれないですけど、去年今年と非常に情けないシーズンを過ごしてしまったので、「このまま終わるのは悔しいな、このまま終われないな」と思った気持ちが強かったですね。

――結果が問われる勝負の世界において、監督としての責任の取り方は「立て直すべく続ける」、あるいは「退任する」というものがあります。「このままでは終われないな」という思いがあり、「もう一度、V奪回する」という思いが、来季へのさらなるモチベーションとなるのでしょうか?

髙津 もちろんです。まずは「勝たなきゃいけない」という責任があります。その一方で、「実際は勝てなかった」という結果もあります。「監督の責任の取り方」というのは、いろんな人のいろんな意見があるでしょうけど、僕は来年も指揮を執るチャンスをいただいたからには、「来年こそ勝つことがすべて」だと思っているので、「続投」という結論になりました。「責任の取り方」には様々な形があるけれど、もちろん僕だってきちんと責任は取りますよ。

――一部では「監督退任の可能性も?」という報道もありました。

髙津 勝負の世界で結果が出なければ、それも当然のことです。でも、それでもオファーをいただいた。それはすごく光栄なことだと思うし。また野村(克也)監督の話になりますけど、「ユニフォームを着られる間は、とにかく着続けろ」と、現役の頃からずっとミーティングでも言われていました。だからこそ、「これも縁なのかな」と考えて、ありがたくオファーを受けました。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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