――打撃コーチ、投手コーチとの緊密なコミュニケーションを意識しているということは、以前に伺いました。さらに今シーズンは嶋基宏ヘッド兼バッテリーコーチとの二人三脚が続いています。嶋ヘッドについては、どのように見ていますか?
髙津 嶋は本当に大変だと思います。監督と選手との間に立って、全方向に目配りをしなければいけない。彼はまだ39歳で、コーチとしては若い方なのでいろいろ気を遣うこともあると思うし、バッテリーコーチも兼任していますから。今年初めて、「ヘッドコーチ」という重要な立場となったけど、大変な役割を十分に務めていると思います。
――監督としては「自信の負担を減らすべく、実績のあるベテランをヘッドに据える」という考えもあるかと思います。それでも、「彼にいろいろな経験を積ませたい」との狙いがあったのでしょうか?
髙津 実際にここまで戦ってきて、彼に対して困ったことや不満に思うことはまったくと言っていいほどありません。僕としては、今回が初めて「キャッチャー出身のヘッドコーチ」となりましたけど、非常によかったなと感じています。嶋の場合は、攻撃も守備も、野球全般に渡って深く見てきた選手だし、何よりも「野村克也」という師匠も一緒ですから、それを受け継いでいる僕の考えも理解してくれている。まさに適任だったと思います。
――やはり「野村イズム」は、嶋ヘッドにも感じられますか?
髙津 僕の考えをすごく理解してくれていると思います。あとは、試合中にいつも僕の横にいるので、僕の愚痴や不満を聞くこともあるけど、それも辛抱強く聞いてくれる。彼にとっては、決して気分のいいことじゃないと思うけど(苦笑)。ヘッドとして、バッテリーコーチとして、非常に僕を支えてくれていると思います。