――この試合では奥川選手の同期であり、同学年でもある長岡秀樹選手、武岡龍世選手もスタメン起用されました。次代を担う若手選手たちをスタメン起用したことにも、監督としての何らかのメッセージが込められていたのでしょうか?
髙津 いやいや、特に深い意味はないですよ。何かのメッセージが込められていたとしたらドラマチックだけど、特に深い意味はなく、たまたまです。でも、そこに何かの意味を見い出してドラマチックに色付けしてもらっても、僕は構わないですよ(笑)。
――この試合では、年齢は異なりますが、同じく同期の大西広樹投手も登板しています。こちらに関しても「たまたま」と発言されていますね。
髙津 もちろん、奥川、長岡、武岡が同い年だということは知っていましたけど、大西も同期入団だったということは忘れていました。勝利のために万全の継投を考えた結果、大西も登板したというのが現実です。これこそ、本当にたまたまです(笑)。
――6月12日の対福岡ソフトバンクホークス戦では、山野太一投手が復帰登板で見事に勝利投手となりました。また、ルーキーの鈴木叶選手がプロ初出場、初スタメンで、初ヒットを放ち、初打点も記録。監督が常々口にしている「チームを変えるには新しい人が必要だ」ということが見事に実践されました。
髙津 当初は山野の登板予定はなかったんですけど、急遽巡ってきたチャンスを彼は見事につかみました。鈴木に関しては、嶋基宏ヘッド兼バッテリーコーチが「ファームで山野のボールをいちばん受けているのは鈴木です」と進言してくれたので、「確かにそうだな」ということでスタメン起用しました。言葉は失礼ですけど、打つ方に関してはそこまで期待していなかったのに、きちんと結果を残した。「すごい18歳だな」と思いましたね。
――交流戦期間中に奥川投手、山野投手も先発復帰し、石川雅規投手も5回雨天コールドながら完封勝利を挙げました。「手薄だ」と言われた先発投手陣に、少しずつ厚みが出てきて、小澤怜史投手を中継ぎに配置転換することにもなりました。
髙津 僕の理想はあくまでも「6人の先発投手を固定して、年間を通じて6人で回していくこと」ですけど、現状はそうもいかないので、いろいろやりくりしているのが実情です。ただ、その中でもいろいろな選手がそろってきて、それぞれが「勝利投手」という結果を残しているのは、監督としては嬉しいことです。小澤に関しては、ずっと先発を任せてきたのに、ここでリリーフとなって、非常に大変だと思います。それが本当に彼のためになっているのかどうかはわからないけど、よく頑張ってくれていると思います。
――セ・リーグは混戦状態が続いています。現状、まだまだ上位進出、優勝を狙える位置にいます。改めて抱負を聞かせてください。
髙津 決してラクではないです。でも、これだけ各球団のゲーム差が詰まっていれば、常に一つでも上の順位を目指して戦っていかなければならない。毎試合、毎試合、忍耐力や我慢強さが求められる日々が続きます。我々は常に万全の準備をして、全力で戦っていきます。どうぞ、これからも「応燕」、よろしくお願いします!