東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

一軍復帰の奥川投手は「チームの起爆剤になる存在」
少しずつ充実してきた投手陣の質と量

――神宮球場での6連戦では、埼玉西武ライオンズに3連勝、北海道日本ハムファイターズには2勝1敗で、5勝1敗という成績を残しました。この間には高橋奎二投手がテンポのいいピッチングで今季2勝目もマークしています。

髙津 奎二についてはビックリしました(笑)。常に投手有利のカウントを作り出し、カウントで困ることがほとんどなかった。そんな状況の中でどんどんバッターを攻めていった。ああいうピッチングをもっと見たいですね。

――8日の試合では、今シーズン10試合目の登板にして、ようやくサイスニード投手に白星もつきました。

髙津 これまでも、決して状態が悪かったわけではないのに、なかなか打線の援護に恵まれずに勝ち星を挙げることができませんでした。だからこそ、この日のミーティングでも、“ぜひ、みんなの力で勝たせてあげよう”と話したんですけど、その通りの結果になって本当によかった。彼もヤフーレもそうだし、オスナもサンタナもそうですけど、どんなに結果が出なくても、決してモノに当たったりせずに黙々と練習をこなしています。その姿は、他の選手たちにもいい影響を与えていると思います。

――冒頭でも述べたように、奥川投手の復帰もあって、ようやく先発投手陣の頭数もそろい、質量ともに充実してきました。これから迎える勝負の夏場に向けて、監督自身も手応えを感じているのではないですか?

髙津 これまでずっと、この連載において「今は我慢の時期」と言い続けてきました。僕自身も、いつもグラウンドでは「我慢、我慢、辛抱、辛抱」と念じ続けてきました。我々はまだまだ一つ一つ粘り強く、一つでも上の順位を目指して戦っていきます。ファンの方々は、ぜひ大きな希望を抱きながら、目の前の試合を楽しんでほしいです。引き続き「応燕」をお願いします!

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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