――交流戦中盤からは、ようやく田口麗斗選手がクローザーとして登板し、セーブを記録しています。監督としても、待ちに待った復帰ではないでしょうか?
髙津 一軍復帰直後は、様子見というのもあって「いきなりクローザーで使うことはやめよう」と考えていましたし、実際に9回を任せることはしませんでした。でも、何度か登板を繰り返したことで、ようやく彼本来のピッチングができるようになってきた。まだまだ様子見の部分はあるけれど、少しずつ本来の調子を取り戻しつつあると見ています。
――ブランクが空いた場合、いきなりプレッシャーのかかる場面を託すよりは、大量ビハインドの場面などプレッシャーの少ない場面で投げさせた方がいいのでしょうか?
髙津 一概には言えないけど、久々に一軍に上がってきたことですでにテンションも上がっているし、アドレナリンも出ているはずです。田口の場合は経験もあるから、どんな場面であっても、常に同じような気持ちで投げることはできると思います。
――それでも、慎重を期して、まずは慣らし運転を経て、そこからの本格復帰という手順を目指しているわけですね。
髙津 そうですね、まさに「慣らし運転」という言葉が適切かもしれないですね。手探りしながら、試運転から始めて、徐々に感覚を取り戻した上でクローザーとしてマウンドに立ってもらうようにしたいと考えています。そして実際に、徐々に去年までの状態に戻りつつあるし、結果としてセーブも記録している。クローザーをどうするかはまだ流動的ではありますが、田口自身の完全復帰の時期は近づいていると思います。
――さて、5月28日から始まった交流戦も、いよいよ今日からのオリックス・バファローズ戦を残すのみとなりました。ここまでの戦いを振り返っていただけますか?
髙津 交流戦序盤はなかなか波に乗りきれない戦いが続きました。それこそ、さっきの話ではないけれど、9回を任せるはずだったクローザーが不在だったことで、勝ち切らなきゃいけないゲームを引き分けにしてしまった試合も続きました。でも、そこから選手たちが本当に頑張って、少しずつ持ち直していけたのはよかったです。
――おっしゃる通り、交流戦直前の5月末からは2つの引き分けを挟んで5連敗を喫しましたが6月2日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では石川雅規投手が今季初勝利を挙げ、この頃からチームは上昇気流に転じていきました。
髙津 石川は身体も強いし、心も強い。身体は小さいけど、他の選手が持っていないいろいろな強さを兼ね備えた投手です。1球、1球に意図があり、しっかりと自分の考えを持っている。若い投手たちのいいお手本にもなります。彼の存在はとても大きいし、チームにとっても大きな戦力になってくれています。