――いよいよ、交流戦も最終カードのオリックス・バファローズ戦を迎えました。ここまでの戦いぶりを質問する前に、まずは本日14日の復帰先発が決まった奥川恭伸投手について伺いたいと思います。
髙津 奥川の復帰時期に関しては、これまでもずっといろいろなプランがありました。もちろん、そのプラン通りに行かなかったこともあるけれど、本人の身体の状態、コンディションを考慮に入れながら検討してきた結果、ようやく今回、ゴーサインが出たというのが実際のところです。
――ファームではここまで6試合に登板しています。球数や登板間隔を考慮に入れながら慎重な登板が続きました。
髙津 すごく状態がいいときもあったし、シュート回転が多くて、ストレートの質が一定していない状態のときもありました。けれども、そうした段階を踏まえて、ようやく「ある程度のレベルで投げられる」と判断しました。奥川の場合は、一投手としての実力はもちろんなんだけど、それに加えて起爆剤的な存在としても期待しています。
――「起爆剤的な存在」という点について、もう少し詳しく教えてください。
髙津 彼が一軍に帰ってきて登板する、先発するということには、いろいろな意味があると僕は思っています。そこには、僕からのいろいろなメッセージも込めたいと思っています。それは他の選手たちに、そして「応燕」してくれるファンの人たちに対してのメッセージです。言葉としては適切ではないかもしれないけれど、それは僕なりの、チームに対して、ファンの方に対しての何か起こるんじゃないかという「演出」でもあります。
――古い話になりますが、野村克也監督時代の1992(平成4)年、ペナントレースが過熱していたシーズン終盤に荒木大輔投手が復活した際の神宮球場は最高の盛り上がりを見せ、結果的に14年ぶりの優勝への起爆剤となりました。昨年の日本シリーズでは阪神タイガースの湯浅京己投手の復帰登板がチームに勢いを与えました。まさに、そんな役割を奥川投手に期待するということでしょうか?
髙津 もちろん、復帰早々に過度な負担をかけてプレッシャーを与えることはよくないのかもしれないけど、奥川には大きな期待をしてマウンドに送り出すつもりです。