――セットアッパー、クローザーが不安定なチーム事情ではあったけれど、継投せずに最後まで一人で投げ切りました。全118球でしたが、「最後まで投げさせよう」という思いだったのでしょうか?
髙津 ずっと1対0が続いていた時点では「どこで代えようか?」と考えていたし、「代えようか、代えまいか」と迷っていました。ただ、8回表のカープの攻撃が三者凡退で終わったときに「いや、これはもう代えちゃいかんぞ」と覚悟を決めました。結果的には8回裏にムネ(村上宗隆)のホームランが出て2対0になったことですごくラクになりましたね。
――仮に万全のクローザーが控えていたとしたら、交代もありましたか?
髙津 1対0で投げるクローザーというのは、本当に大変なんです。松本がすごくいいピッチングをしていたので、多少疲れが見えていたとしても代えなかったかもしれないけど、もしかしたら代えていたかもしれないかな? 代えていた可能性はありますね。
――鮮烈なプロデビューを飾りました。試合後には亜細亜大学の先輩である髙津監督に「亜細亜魂で頑張った」と言っていました。「亜細亜魂」は感じられましたか?
髙津 優しそうな顔をしていて、割と図太さもあるし、肝が据わっていますね。プロとして、実力が大切なのはもちろんなんだけど、それ以外にも表情であったり、態度であったり、そういう部分も大切になってくる。実力以外にも精神面も大切になってくる。プロは同じ相手と何度も対戦を繰り返すわけだから、ここからが真価が問われる。次回登板にも期待しています。
――今春の沖縄・浦添キャンプではトヨタ自動車の先輩である古田敦也臨時コーチとのバッテリーも実現しました。オープン戦では結果を残せなかったけれど、それでも5月には一軍マウンドで初勝利を挙げた。いい流れで来ていますね。
髙津 彼は、大卒、社会人経由でのプロ入りなので「最初からバリバリ頑張ってほしい」という思いで一軍キャンプに帯同させました。オープン戦では、こちらが望んでいた結果は出なかったけど、ファームで鍛え直して、さっきも言ったように「ピッチングらしいピッチング」を勉強して一軍に戻ってきた。チームにとっても、本人にとっても大きな1勝だったと思いますね。