――山田選手が不在の間は武岡龍世選手、赤羽由紘選手、北村拓己選手らがセカンドを守りました。若手選手にとっては大きなチャンスとなりましたが、強烈なインパクトを残すには至らなかった。そんな印象がありますが、監督としてはどのように見ていますか?
髙津 相手ピッチャーとの相性であったり、本人の状態であったり、いろいろなことを考えながらではあるので、平等ではなかったかもしれないけれど、それでも全員にチャンスを与えたつもりです。彼らに関しては「全然ダメだった」とは思わないです。ただ、本人たちがどう思っているかはわからないけど、やっぱり哲人との差は大きかったということは感じていると思います。プロ野球は実力の世界なので、その思いを糧にして伸びていってほしいと思っています。
――冒頭でも述べたように、現在は9連戦の真っ只中です。吉村貢司郎選手が初戦に先発したように、ローテーション再編も行われました。この9連戦については、どのような思いで臨んでいるのですか?
髙津 今シーズンの143試合を俯瞰で見たときに、いくつかの山場がある中で、今回の9連戦は最初のヤマだと思いました。でも、その後は飛び飛びのスケジュールになるなど、また違った難しさもあります。そうした点を考慮に入れつつ、ローテーションを組んでいます。吉村に関しては、(高橋)奎二と共に、今シーズンはスターターとしてフル稼働してほしい選手の筆頭ですから、9連戦の初戦も含めて、少しプレッシャーのかかる場面で起用して、彼の成長を促す要因の一つとしたいと考えています。
――開幕早々、キャプテンの山田哲人選手、クローザーの田口麗斗選手が離脱し、いきなり非常事態に見舞われましたが、それでもチームは一進一退を続けています。監督自身はどのような心境で、この4月を戦っているのですか?
髙津 ひと言で言えば「我慢」ですね。今はただ我慢の時期であり、ここが我慢のしどころだと思っています。毎日、「我慢だ、我慢だ」と自分に言い聞かせながらグラウンドに立っています。絶対にチームの歯車が嚙み合ういい時期はやってきます。絶対にチーム状況がよくなるときがくる。それまでは何とかやりくりをしながら目の前の相手に食らいついていく。今はそんな思いで戦っています。
――ファンもまた、もうちょっとだけ我慢の時期が続きますかね?
髙津 監督自ら、ファンの方々に「我慢してください」というのはヘンかもしれないけど、「必ず、ヤクルト調子いいね」という時期がやってきます。確かに今は苦しい状況ですけど、「今後、必ずいい時期が来る」と信じて、「応燕」をお願いしたいです。
――「その先に明るい未来が待っている」と思えるのなら、目の前の辛抱の時期もやり過ごせるとは思います。必ずいい時期がやってきますか?
髙津 もちろんです。毎日、「何とかしてやろう」と思いながらグラウンドに立っています。ヤクルトファンの人は優しいし、強いし、本当に一生懸命「応燕」してくれるので、僕がわざわざ言う必要はないと思うけど、最後に必ず喜びがやってくる。そう信じて、これからも「応燕」をお願いします!