――開幕以来、新加入の西川遥輝選手がライトを守る機会が増え、同時に昨年までライトを守っていたサンタナ選手がレフトで固定されることとなりました。このコンバートもうまくハマっているように見えますが、この点についてはいかがですか?
髙津 アメリカでもほぼほぼライトを守っていたそうなので、サンタナについては、「最初はちょっともたもたするだろうな」と思っていましたけど、思ったよりは普通にできていますね(笑)。本人の中では多少の違和感はあるのかもしれないけど、こちらから見ていて難しがっていたり、嫌がっていたりするようには見えないですね。
――開幕から2週間が経過し、他球団も含めてまだまだ手探り状態、混沌とした状況が続いていますが、この時期としての心境はいかがですか?
髙津 例えば開幕から15試合を経過して10勝5敗であっても、5勝10敗であっても、あるいはそれ以下であっても、自分たちのやるべきことは変わらないし、勝っていても浮かれないし、負けていてもまだ焦っていないと思います。まだ4月ですから、この時期はしっかりと足元を見つめること。浮かれたり、落ち込んだりしている場合ではないですから。
――当然、ファンとしては一喜一憂するけれど、監督選手たちは「まだまだシーズン序盤だ」とか「ペナントレースは長い」という意識を忘れてはいけないでしょうからね。
髙津 ファンの方には大いに浮かれてほしいと思っています。そのためにはしっかりと勝たなければいけない。どうしても、長いシーズンにはいいときもわるいときもあります。けれども、スワローズファンは非常に温かい人が多くて、どんなときも全力で「応燕」してくれているのが伝わってきます。たとえ負けが込んでいても、「まずは次の1勝を目指せ!」とエールを送ってくれる。とてもありがたいなと思っています。
――ファンの「声燕」は伝わっていますか?
髙津 もちろんです。そういう熱い思いがあるからこそ、どんなときでも下なんか向いていられない。落ち込んでいられない。「絶対に何とかしてやろう」と思えるわけです。それこそプロ野球の醍醐味であり、選手とファンとのいい関係性だと思っています。ファンの方々は、どんなときでもしっかりと「応燕」してくれる。だからこそ選手たちは「ファンの人を喜ばせたい」と頑張ることができる。
――シーズンは始まったばかりですが、これからのご検討を祈っています。
髙津 故障者が出ている現状ではあるけれど、それでも残った選手たちが一丸となって戦っています。みなさんの「声燕」が、本当に力になっています。引き続き、熱い「応燕」をよろしくお願いします!
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