――さて、改めて3月29日の開幕戦についてお尋ねします。この日は、1点を追う8回裏に同点に追いつき、そして逆転しました。「開幕戦の重み」ということに関して、監督はどのように考えていますか?
髙津 やっぱり、開幕戦は特別なものですよ。だからこそ、しっかり勝ちたいと思っていたし、勝つことができてよかったと思っています。ただ、あくまでも僕たちが戦うのは143試合です。去年は開幕5連勝したけど、最終的には5位に終わりました。これではやっぱり意味がない。むしろ「出足はもたついたけど、結果的に優勝できた」という方が絶対いいわけですから。だから、「開幕戦は特別な試合である」というのは間違いないけど、その一方では「143試合、トータルをにらんで戦う」というのが実際のところです。
――とはいえ、前年低迷したチームがスタートダッシュに失敗すると、「やっぱり、今年もダメか……」と暗いムードに陥る可能性もあるのではないですか?
髙津 もちろんです。だからこそ、勝てる試合は絶対に勝ちに行く。その姿勢は崩しません。それは開幕1試合目だろうと、10試合であろうと、最終戦であろうと変わらない。当然、無理をさせて故障してしまっては元も子もないわけですから、選手のコンディションを最優先にした上で、いちばんいい選択をするというのは、ずっと変わらない考えです。
――昨年までは「三番・山田哲人、四番・村上宗隆」という並びが続きましたが、今年の開幕戦では山田選手が五番でスタメン起用となりました。山田選手は開幕早々、リタイアとなってしまいましたが、今年の開幕直後は「三番・オスナ、五番・サンタナ」という打順がハマっているように見受けられますが、この点については?
髙津 基本的には野手の打順についても、投手のローテーションについても、僕自身としては固定して戦いたいタイプなんです。でも、先ほどの「クローザーは流動的に考える」というのもそうですけど、現状ではそれも難しい。そうなれば、「そのときのベストの布陣を考える」ということになります。打順に関してはムネ(村上)の四番しか決まっていません。両外国人についても、哲人についても、「どうすればつながりのある打線になるか?」という点を意識しながら組んでいくことになると思います。今のところ、オスナ、サンタナはすごくよくやっていると思います」