東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

主将とクローザーが離脱という非常事態…
開幕戦から波乱も、「焦りはない」

野手の打順も、投手のローテーションも固定したい

――さて、改めて3月29日の開幕戦についてお尋ねします。この日は、1点を追う8回裏に同点に追いつき、そして逆転しました。「開幕戦の重み」ということに関して、監督はどのように考えていますか?

髙津 やっぱり、開幕戦は特別なものですよ。だからこそ、しっかり勝ちたいと思っていたし、勝つことができてよかったと思っています。ただ、あくまでも僕たちが戦うのは143試合です。去年は開幕5連勝したけど、最終的には5位に終わりました。これではやっぱり意味がない。むしろ「出足はもたついたけど、結果的に優勝できた」という方が絶対いいわけですから。だから、「開幕戦は特別な試合である」というのは間違いないけど、その一方では「143試合、トータルをにらんで戦う」というのが実際のところです。

――とはいえ、前年低迷したチームがスタートダッシュに失敗すると、「やっぱり、今年もダメか……」と暗いムードに陥る可能性もあるのではないですか?

髙津 もちろんです。だからこそ、勝てる試合は絶対に勝ちに行く。その姿勢は崩しません。それは開幕1試合目だろうと、10試合であろうと、最終戦であろうと変わらない。当然、無理をさせて故障してしまっては元も子もないわけですから、選手のコンディションを最優先にした上で、いちばんいい選択をするというのは、ずっと変わらない考えです。

――昨年までは「三番・山田哲人、四番・村上宗隆」という並びが続きましたが、今年の開幕戦では山田選手が五番でスタメン起用となりました。山田選手は開幕早々、リタイアとなってしまいましたが、今年の開幕直後は「三番・オスナ、五番・サンタナ」という打順がハマっているように見受けられますが、この点については?

髙津 基本的には野手の打順についても、投手のローテーションについても、僕自身としては固定して戦いたいタイプなんです。でも、先ほどの「クローザーは流動的に考える」というのもそうですけど、現状ではそれも難しい。そうなれば、「そのときのベストの布陣を考える」ということになります。打順に関してはムネ(村上)の四番しか決まっていません。両外国人についても、哲人についても、「どうすればつながりのある打線になるか?」という点を意識しながら組んでいくことになると思います。今のところ、オスナ、サンタナはすごくよくやっていると思います」

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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