生きているとつらいこと、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいことが起こります。
私は若い頃から継続して、人の心の移り変わりに興味を持っています。
最初のキャリアに新聞記者を選んだ理由の一つは、世の中を知りたい、自分の知らない人々の暮らしを知りたい、というものでした。
自分の心を平穏に保つ方法を学ぶきっかけにしたいと考え、社会人になってから大学に入り直し、心理学を学びました。
答えはまだ見つかっていませんが、理解できたこともあります。
当たり前ですが、つらいことや悲しいことだけの日々に耐えるのは難しいということです。喜びや楽しいことがあってこそ、日々の苦しさを乗り越えられます。
資格試験で失敗するケースで多いのは自分に厳しくしすぎ、楽しみを我慢してしまうパターンです。年末年始も勉強、休日もなく趣味もやめてしまうとすぐに心の限界が来ます。休むときはしっかり休んでリフレッシュしましょう。特に、働きながら合格を目指す人はストレスが相当に強くなります。日々の仕事をこなすだけでも楽ではないのに、仕事が終わった後に、もう一度自分を追い込まなければなりません。難易度の高い試験であれば、苦しくなるほどしっかり学ばなければ結果は出ません。詰め込んだスケジュールを作っても、続けられなければ意味がありません。無理なく続けられる水準の負荷を見極め、合格まで走り切る計画が大切です。
仕事も家庭もあって、なかなか時間が取れない人もいると思います。
資格試験に合格するには、時間を確保し、勉強を習慣化することが大切です。
テキストを開かない日が一日、二日と続くと、知識が抜けてしまうだけでなく、勉強が面倒になり、当初の志を忘れてしまいます。三日坊主にならないためには、スキマ時間を探し、短い時間を有効化して実力を身に付けていくべきです。
少しの空き時間は無駄にすべきではありません。
5分が8回積み重なれば40分、週6日で240分になります。
例えば、宅建士試験において、合格までに必要な勉強時間は200~300時間とされています。週6日40分のスキマ時間を確保し、1日だけほかに2時間勉強すれば、1週間の勉強時間は合計で6時間になります。そのペースを継続すれば、1年以内に合格に必要な時間が確保できることになります。
私の経験でも、司法書士が簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件などについて、代理業務を行うために受験する「簡裁訴訟代理等能力認定考査」や、宅建士試験は、1日約30分の勉強だけで合格しました。簡裁訴訟代理等能力認定考査は昼食を早食いして30分の時間を作り、宅建士試験は起床して風呂に入りながら30分ほど勉強しました。どちらも仕事が忙しく、子どもも小さかったので勉強時間の捻出に苦労しましたが、最小限の努力を毎日継続することで合格できました。
目指す資格と状況によっては、少しの時間を意識的に作るだけで、人生を大きく変えるチャンスを得られる可能性があります。そんなきっかけになるスキマ時間について考えてみましょう。
スキマ時間を活用する第一歩は、自分の日常を分析することです。
この記事を読んでいる人は働いている人が多いと思いますが、仕事をする日々の中でも時間を作ることはできます。私の例でもあったように、少しのチャンスを積み重ねるだけで、目標を達成することも可能です。
まず、働いている人にとっては、昼休みはまとまった時間を確保しやすいです。
昼食のために外出する人もいるでしょうが、受験勉強中はあらかじめ準備した弁当などを急いで食べるほうが、時間確保には有効です。私の場合では、司法書士試験、公認会計士試験を受験していた際は、だいたい10~15分で持参した昼食をかきこみ、残りの時間は最低でも30分を勉強にあてていました。
リモートワークの場合は、さらに時間を使えます。
もし、私が受験生で、リモートで働いているならば、昼休みになった瞬間に接続を切り、片手で食べられるものを急いで詰め込んで、時間いっぱいまで勉強するでしょう。
昼休みに勉強することについては、留意したほうがよい点もあります。
オフィスワークを前提に、別の角度から考えると、昼食は同僚や上司とコミュニケーションを取れる機会です。私の経験を振り返っても、昼食時や喫煙所での情報交換は社内政治において役立つケースがあるように思います。昼食を一人でとり、誰とも話さずに勉強することは、そのような機会を自ら捨てることにもなります。私の場合は、定年までサラリーマンとして働くことは微塵も考えておらず、務めていた会社も遠くない将来に辞めるつもりだったため、振り切った選択をすることができました。
今後の人生をどう進めていくかを踏まえて勉強方針を定めるべきです。
私のように、勤務している会社に居続けることはないと考えるならば、スキルアップを最優先して時間を使うとよいでしょう。