続いて、起床直後と就寝前は時間が確保しやすいです。
起きた後はどうしてもボーっとしている人が多いと思います。
私も忙しくない日は、スマートフォンでネットを見ているうちに10分や20分は簡単に過ぎてしまいます。寝室にテキストを常備しておき、起きた直後に読むようにすると、勉強を習慣化しやすいです。起きてすぐのルーティンに勉強を組み込むことができれば、無理なく時間を有効に使えるようになります。
同じように、寝る前の10分も習慣にしやすい時間です。
起きた直後、寝る直前に10分ずつ勉強するだけで、先ほど書いた宅建士試験に必要な勉強時間の確保が視野に入ります。少しの努力でそれだけの可能性を得ることができるので、スキルアップやキャリアアップを目指す人は、日々の時間の使い方を大切にしましょう。
移動中も時間を確保するチャンスです。
通勤時間の勉強については、これまでの連載で書いたとおりですが、ホームで電車を待っている時間や、歩いている時間も、工夫次第で勉強することができます。私の場合は、常にテキストを通勤カバンに入れていたほか、少しの時間で確認できる資料をスーツの内ポケットに入れていました。時間が経っているのでやや曖昧ではありますが、司法書士試験を受験する際は日本国憲法、公認会計士試験を受験する際は原価計算基準をプリントアウトしたものを小さくたたみ、いつでも読めるように持っていたように記憶しています。そのほかにも、模試や問題集でよく間違える論点を端的にまとめたノートを作成し、ポケットに入れていました。エレベーターの待ち時間など、少し時間できたときに資料を参照し、少しでも記憶を定着させるようにしていました。
歩いている時間は資料を読むことはできませんが、耳から勉強することはできます。
私はTOEICを受験する際もほとんどの勉強を通勤時間で行っていました。リスニングに使用する教材を保存し、いつでも再生できるように持っていました。両耳をふさぐと危ないので、片耳用のイヤホンを準備し、小さい音量で再生しながら歩くようにしました。この方法を採用する場合は、周囲の音が聞こえないと人にぶつかったり車にひかれたりする危険性があるため、安全確保に十分注意しましょう。
風呂やトイレで過ごす時間も、勉強時間に算入することが可能です。
試験勉強は大きく分けて2種類です。
電卓を叩いて行う計算問題と、テキスト中心の理論問題の勉強です。
計算問題は机に向かわないとできません。
テキストを読むことは、寝ていても、立っていてもできます。
風呂に入りながらテキストを読んだり、理論問題を解いたりすることができます。
また、トイレで便座に座っている時間も、ポケットに資料が入っていれば、知識を取り入れる時間に変えることができます。私が司法書士試験と公認会計士試験に合格したときは、便座に座っているときも何かの知識を得ようと努力していました。振り返ってみると、ここまでやるのは自身のことながらおかしいように感じますが、それだけ合格したい気持ちが強かったのだと思います。同じ時間を確保できてもモチベーションが小さければ効率は下がり、だらだらと苦しい日々を過ごすことになってしまうので、やる気を高められるように自分をコントロールしましょう。
このように、まとまった時間を確保できない場合でも、工夫と努力次第で、前向きに勉強することは可能です。最後はどれだけ合格したいのかという気持ちが合否を分けます。自分の人生にとって何を重視すべきかをよく考え、資格取得を目指すべきだと判断したならば、少しのスキマ時間を実力に変えられるよう努めましょう。
・昼休みは、最大の勉強のチャンス
・起床直後と就寝前は時間が確保しやすい
・移動中、風呂やトイレで過ごす時間も勉強時間に算入する