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「フラヴィニー侯爵家息女マリリーズ、お気の毒だが私に貴女と婚約する気はない!」
夜会で侯爵家次男から突然そんな宣言をされた14歳のマリリーズは、一歳下の妹ミュリエルの謀にはまったことを知る。
マリリーズが4歳のとき侯爵の父が死亡し、国の決まりで長女が15歳で成人するまで叔父が暫定爵位についていた。
しかし再婚した叔父と母は、ミュリエルが長女であると偽って国に届けてしまった。
以後マリリーズは三人から虐げられて生きている。
このままではミュリエルが15歳で爵位を継ぎ、マリリーズは放逐されることが予想される。
10歳のとき加護を賜る儀式で、ミュリエルは強力な火魔法を、マリリーズは聞いたことのない『ブンカン』という加護を得る。いろいろ事務仕事に役立つが、極め付きは読める場所にある文書を書き換えられることだ。
文官に役立つ能力を得たということで、それからマリリーズは男装をして叔父とともに王宮に通い、執務を手伝うことを命じられた。
ほとんど使用人と変わらない扱いの日々が続く。
そんな中でマリリーズは領地の窮状を知る。当てにならない叔父には秘密に、家宰の協力を得て、マリリーズは加護の能力をさまざまに利用して領地の立て直しを目指すことにした。
「この現状を捨て置くわけにはいかない、ここで目を逸らしたら絶対後々に悔いが残る!」と。
領地救済と成人後の自立を目指して、マリリーズは行動する。
文字数 21,368
最終更新日 2024.12.24
登録日 2024.12.23
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
文字数 129,881
最終更新日 2024.12.18
登録日 2024.12.09
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