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月下美人の花言葉をご存知ですか?   母は気が強くて負けず嫌いな完璧主義者。だが実際は、暗闇も苦手な寂しがり屋。体格がよくて一見健康そうだが、若い頃から入院、日帰り問わず、何らかの手術を受けていた。  だが本格的に体を壊し始めたのは、高齢期に入ってから。一時は危篤まで陥り、もう駄目かと思われたが、奇跡的に回復。このとき3つの病院を転院しながら約半年の入院生活。その後はリハビリを経て通常の生活に戻ったが、再び原因不明の病魔が襲う。  春から幾つものクリニックや病院を渡り歩き、秋になってようやくたどり着いた都内の大学病院で、やっと病名が判明する。  膠原病。厳密にいうと、この頃、まだ近所のクリニックの医者さえ知らなかった顕微鏡的多発血管炎。母の場合はその他にもウェゲナー肉芽腫、大血管炎も混じった珍しい3種混合型膠原病だった。  免疫機能の暴走による、健康な細胞さえ攻撃する難病。病の細かい解明よりまず、病状安定が急務との診断により、ステロイドパルスが行われると報告を受けたのは、私が買い物に出掛けた先での携帯電話。慌てて自宅に帰り、大学病院へ向かった。ステロイドパルスとは、点滴でステロイドを3日間投与する治療法。  本で得た知識しかなかったが、それは劇的効果をもたらした。両耳がほぼ聴こえなくなっていた母が、ステロイドパルス終了後には、普通に会話できるまで回復したのだ。  ステロイドは有効だったが、代償となる副作用もあった。まず皮膚の脆さ。少しぶつけただけでも大あざが出来る。そして血糖値の上昇による糖尿病インスリン注射開始。免疫機能を抑えることで発病する数々の病気。  母は年に何度も入退院を繰り返した。その間に、父が糖尿病性腎不全、兄が肝硬変を患った。3人同時に入院することもあった。  都内まで通院するのは、母にはキツかっただろう。だが午後に診察の多かった母は、外食を楽しみにしていた。さすがに高価な場所へは連れていけなかったが、採血を終えて診察時間までの間、大学病院周辺のランチメニューを美味しそうに食べていた。診察の待ち時間が長引いて疲れた時には、電車に乗る前にカフェで休憩した。田舎暮らしで、蕎麦やうどん以外の外食に縁がなかった母の数少ない楽しみにもなっていた。だが家族が緩やかに悪化していく中、母も次第に弱っていく。命を助けてもらった都内の大学病院から、地元の病院へ、そして最後は在宅医療へ。  父を、兄を、愛犬を見送るごとに、母の心は欠けて壊れていった。そして母もまた、家族を追うように旅立った。あの頃は病院の面会が容易ではなく、私は父と兄を看取れなかった。せめて母だけは最期まで付き添いたい。在宅での最期を希望した。  そして馴染み深い家から、あの世へ旅立った母の顔は、心身の辛さから解放され、微笑んでいるかのようだった。
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小説 18,234 位 / 190,606件 エッセイ・ノンフィクション 371 位 / 8,008件
文字数 197,241 最終更新日 2024.09.19 登録日 2024.09.01
下位貴族の令嬢は、貴族学園に入学して結婚相手を探すのが一般的である。ステラ・キラータイム男爵令嬢の、年の離れた姉たちも貴族学園で相手を見つけて結婚した。だがステラは控えめに言っても結婚には向かない人物で、両親も「ステラの夫になる人が哀れだ」と、早くからステラを職業婦人として自立させることに決めていた。ステラ自身も夢があり、それを叶えるために職業訓練学校合格を目指して、猛勉強した末、首席合格を獲得。だが頭の固い祖父の策略で、せっかく合格した職業訓練学校は入学辞退、無試験の貴族学園に入る羽目に。だが半年後には転校できる制度があるため、ステラは職業訓練学校へ編入するべく猛勉強していた。自習に励む図書館で、さえない中年に擬態した元王太子ミゲールと出会ったのは鬱陶しかったが、それもあともう少しの辛抱と、鉛筆をへし折りながら我慢する。 転校を目前に控えたある日、士官学校に通う兄のハーバーから、とんでもない依頼をされる。ハーバーの士官学校での友人の弟が、隠れて不死鳥の雛を羽化させたというのだ。神獣の卵、もしくは雛は見つけ次第王国軍に報告し、回収してもらう義務がある。怠れば貴族社会からの追放もあり得る。そこでステラに、密かに雛を回収して王国軍に引き取ってもらいたいと、ハーバーは頼み込んだのだ。 貴族学園の寮は男女別はもちろんだが、貴族階級によって厳密に分けられ、下位貴族のステラが、上位貴族の男子寮に入るのは無理がある。そこで図書館長ミゲールの協力を得て、上位貴族男子寮に忍び込んだ矢先、不死鳥の親鳥が駆けつけて無理矢理人間によって羽化させられ瀕死の雛に激怒、王国軍も駆けつけたが、怒り狂う不死鳥に太刀打ち出来ない。ステラは独自のルートで得た魔石で雛を回復させて、穏便に不死鳥にお帰りいただいたが、その出来事は直ちに魔術の師匠である、王国魔術師長マルガリータに伝わった。マルガリータ魔術師長は、ステラの職業訓練学校への転校を取り消し、王国魔術師団へ入団することを命じる。 ステラは職業訓練学校で青春を謳歌し、卒業後は冒険者として世界を旅するのを目的としていた。王国魔術師団入団は名誉であるが、過酷な仕事と、何より口うるさい師匠のマルガリータ魔術師長配下になるのが嫌だったのだ。 だが配属先の王国魔術師団研究開発部は想像より楽しい職場で、ステラは仕事に恋愛にと充実した日々を送っていた。邪魔者の元王太子ミゲールが王国魔術師団まで追いかけてきたのが邪魔だったのと、世情もきな臭くなって、ステラは否が応にも巻き込まれていく。日増しに人相が悪くなるステラは、だがそれら障害を豪快に蹴散らしていく。皮肉にもステラの活躍は、子供の頃に描いた、自由を謳歌する未来予想図とは全く違う人生を突き進む羽目となる。
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小説 190,606 位 / 190,606件 ファンタジー 44,050 位 / 44,050件
文字数 94,465 最終更新日 2024.08.29 登録日 2024.08.29
 都が地震に見舞われ、東国で噴火が相次ぐなか、駿河守に娘が誕生した。娘の誕生に沸く駿河守邸だが、霊峰富士の女神から、「この娘には重大な使命があるから、結婚させてはならない」と命じられた。  娘の誕生から数ヶ月後、右大臣から「この女を正妻にしてほしいと」と、駿河守は高貴な女性と生まれて半年程の姫を押し付けられた。この女性、右大臣正室の妹で、うっかり右大臣が手を出して妊娠させてしまい、家に置くわけにもいかないので、信頼のおける者に託すことにしたのだ。天下の右大臣に逆らえず、駿河守は泣く泣く本来の妻を側室に、右大臣に押し付けられた妻子を正妻と嫡子とした。  任期が明けて都に戻ると、駿河守は受領から一気に参議にまで引き上げられた。右大臣の采配によるものだが、元駿河守からすれば余計な気遣いで、本来の妻子と受領生活を続けたかった。  富士姫は成長と共に、幽霊や物の怪を倒す力を身につけた。ある貴族の、怨霊に取り憑かれて死にかけた息子を全快させたことで、榊の参議邸は連続、物の怪を恐れる貴族たちに押しかけられた。  慎ましやかな駿河の参議の名ばかりの正室朱華の御方と対照的に、我儘いっぱいに育った桜姫。実は桜姫は朱華の御方の娘ではなく、右大臣正室が生んだ双子の片割れだった。右大臣家に残された双子の姉は、将来の中宮になるべく大切に育てられたが、入内手前で急死してしまう。そこで桜姫が身代わりに女御として入内することとなった。桜姫がいなくなったことで、朱華の御方は正室の座を本来の正室に返し、駿河の参議の実子は嫡子に戻った。  後宮という伏魔殿で生きるには、桜姫には知性も教養も足りなかった。後宮で孤立した桜姫は、帝の弟と密通して不義の子を宿した。それがきっかけとなり、桜姫の実母は自害、右大臣は出家して、右大臣家は傾いた。捨てられるように監禁され孤独となった桜姫は、富士姫の仲介によって、養母の朱華の御方に救い出された。不義の子は命令通り、誕生後1年で遠い東国の寺院に送られた。桜姫と朱華の御方は都を離れて、懐かしい駿河の国に住み着いた。  成長した富士姫は、自身の誕生の真の理由を知る。国を次々襲う天変地異の正体は、本来、玉座に座る資格のない帝のせいだった。神々は、隠された正統な皇位継承者を探し出し、帝を交代させる使命を富士姫に託したのである。  昔、殺害された皇太子と皇后の怨霊が御所に現れる。それがきっかけで、帝は自身に皇位継承の資格がなかったことを知る。ショックだったが、国を思う心は本物だったので、富士姫の皇位継承者のすり替え計画に協力することとなった。その協力者として中宮、左大臣、その他が加わった。  富士姫が見つけ出した皇位継承権を持つ赤子を、中宮は実子として育て上げ、ようやく正統な血統の新たな帝を立てることに成功した。
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小説 34,252 位 / 190,606件 ファンタジー 5,319 位 / 44,050件
文字数 99,184 最終更新日 2024.08.14 登録日 2024.08.14
 父の親友、天上界守護第7軍団副将軍のサイアム侯爵の第二夫人になることが決定していた、エディス・リリエンタール伯爵令嬢。  元々、サイアムは故郷サンファレス天上界世界で国王を警護する近衛騎士団長を務めていた。しかし天上界ダークカオス掃討作戦で多くの騎士、兵士が天上界守護大軍団から離職。その穴埋めに各天上界世界から有能な者を招集して、天上界守護大軍団の幹部として迎え入れられることが決まった。しかし優雅な貴族生活を送る者が、正反対の無骨な軍人になるのを拒み、堂々巡りを繰り返した。業を煮やしたサイアム卿がその大役を引き受け、故郷の身辺整理をして天上界守護軍人となり、第7大軍団世界の副将軍まで上り詰めた。  サイアム卿はサンファレス国王の娘ヴィクトリア王女を正妻としているが、伯爵以上の爵位持ちは正妻を3人まで持つことができる。サイアム卿とヴィクトリア王女の仲は良好なものの、気性の激しい2人が喧嘩すると辺りは大損害を被る。  そこで2番目の正妻には大人しい気質の娘が欲しいと常日頃思っており、親友に娘が生まれると、その子を理想の妻にするべく、親友のリリエンタール伯爵に教育を任せた。  軍人妻として、不測の事態に備えた生活(護身術、家事全般)を花嫁修業に強いられたエディスは、貴族令嬢の華やかな生活を知らずに成長した。  しかし転機が訪れる。王城での社交界デビューのとき、自尊心の高い侯爵令嬢が、彼女を挑発する辺境伯令嬢に激怒して、禁じられた魔術を暴発させたのだ。エディスを含む、新たな友人となったミリアム、そして高慢なイザベラ侯爵令嬢もろとも、時空の穴に吸い込まれて人間界へ落とされた。  不測の事態な備えて訓練を受けていたエディスだったが、いざ危機を迎えたとき、何も出来ずに絶体絶命だった。それを救ってくれたのが、天上界守護第9大軍団の大将軍アーサーと、副将軍アリステアだった。この2人は、天上界の愚かな魔術師軍団による危険な魔法で改造されようとしている人間界(エディス達が落とされた世界)を救うため、この世界で隠密行動を行っていたのだ。  エディスはアーサーに一目惚れしたが、婚約者がいる身では気持ちを押し殺さねばならない。アーサーもまた、初めての恋の相手がエディスだった。しかし2人は、結ばれない運命を受け入れようとしていた。  もどかしい2人の関係に業を煮やしたのがアーサーの親友にして相棒のアリステアだった。アリステアは持ち前の正当だが無茶苦茶な理論を振りかざして、エディスから本来の婚約者を最強の一手を用いて引き剥がし、恋愛経験皆無な不器用男のアーサーと結ばせるために奮闘。2人はハッピーエンドを迎えたのだった。
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小説 190,606 位 / 190,606件 ファンタジー 44,050 位 / 44,050件
文字数 71,696 最終更新日 2024.08.04 登録日 2024.08.04
 鉱物オタクで。ゆくゆくは鉱物関連の仕事をしたいと、様々な伝手を作ってきた。しかし石川紅葉は、再婚相手の連れ子で義姉(ステップシスター)となった美少女のブルーローズに執着されて、都内トップクラスの高校に合格したにも関わらず、同母弟妹を守るため、義姉に味方した親の意向に条件付きで従った。その条件は、大学進学を機に、弟妹と独立、父を始めるする再婚相手母娘と絶縁することだった。だが夢が叶う目前、強行された卒業旅行の際、土砂崩に巻き込まれて昇天。  天上界で着いて早々、石川紅葉は非凡な才能を見出され、ヴェルデライト・ベリルと名前を変えて錬金術師になる。  ヴェルデライトのもとへ仕事を持ち込んだ天上界騎士のウォルターは、彼女が宿命で結ばれた妻だと直感、その場で求婚。だがヴェルデライトは、癖と実力のある師匠ジェイ・クオーツハイムに鍛えられた上に、特殊能力で宿命の糸をぶった斬る薬を開発、ちょうど治験者を探していた。ウォルターの仕事を引き受けるのを条件に、ウォルターに治験者になることを要請。もちろんウォルターは危険すぎる治験体になるのを拒絶、そして退却。  同じ落石事故で昇天したステップシスターのブルーローズが、天上界の国王の正妃となってヴェルデライトの前に現れ、ヴェルデライトを国に迎え入れたいと言い出した。ヴェルデライトにしてみれば、飛んで火に入る夏の虫。ヴェルデライトはブルーローズと国王の絆をぶった斬る治験をやらせろと迫り、ブルーローズは逃亡。  しかしロックオンした獲物を逃がすほど、ヴェルデライトは甘くない。  マッドサイエンティストに変貌したヴェルデライト魔の手から、一旦は逃亡できたとウォルターと乳兄弟は安堵するが、ある秘密に気づいてしまったウォルターのもとに、ヴェルデライトより危険な人物がウォルターの前に現れる。ヴェルデライトは、天上界でもせっせと、厄介な敵を排除する対策として、人脈を伸ばしていたのだ。  人間だった頃は、弟妹を守るために、親とブルーローズに従った石川紅葉。だが錬金術師ヴェルデライトに進化したいま、貸しは利息付でキッチリ耳を揃えて返してもらいます。  それぞれの愛のベクトルはどこへ向かい、どのようにしてヴェルデライトに、へし折られていくのか?  天上界で2番目に危険な魔術師ヴェルデライト・ベリルは、義理人情には厚いが、歯向かう敵には容赦しない。
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小説 34,252 位 / 190,606件 ファンタジー 5,319 位 / 44,050件
文字数 91,726 最終更新日 2024.07.14 登録日 2024.07.14
 偉人、一般人に関係なく、人の生きた年数だけ、歴史が誰にでもある。それが文字として残るか、人の記憶として留まるかの違いだ。たまには思い出も掘り起こしてあげないと。辛い記憶に目を背けても構わないが、楽しい思い出も発掘すれば出てくるはず。要はキッカケとなる断片を見つければ、連動して思い出は蘇る。  ごく一般的な、面白みもない家族と自分では思っていても、他人からすると「え?」と思うこともある。例えば父が運転中に、前方を走る車の左折右折や高速道路での進路変更に悪態をつくのを、私は普通だと思っていた。だが何かの折に友人を父の車に乗せたとき、友人は「面白いお父さんだね」と言った。どうやら他の人は運転中に、悪態をつかないらしい。カルチャーショック。  数名集まって、家庭料理の話をするとそれぞれの家庭の個性が際立つ。東日本の友人たちは主に豚肉をカレーや肉じゃがに使い、西日本育ちの親を持つ友人は牛肉メイン。我が家は境界線の愛知県の影響が強いせいか、はたまた父の好みだったのか、牛肉をカレーや肉じゃがに使っていた。そういえば愛知って鶏肉文化だったはずだが、父は唐揚げや鍋やお雑煮ぐらいしか鶏肉を好まなかった。味噌汁は赤出し、具材の入れ過ぎにはうるさい。だが天ぷらの翌朝には、味噌汁に余った天ぷらを入れて食べていた。家族は行儀が悪いと呆れていたが、TV番組で愛知県民は味噌汁に天ぷらを入れるのが普通だったらしい。本当に、日本には地域独自の文化があって面白い。それが家族単位ともなれば、星の数ほど個性があるだろう。  亡き父は、外では無愛想だったが、単に人付き合いか不器用なだけだった。お酒の力を借りないと、会社の同僚や町会でも話せなかったほど。  だが家族の中では父がお茶目と言うか、笑えると言うか、予想と違う言動に困惑することも、しばしば。父のの言動に家族が振り回されることも多々あった。  これは父をメインに、母や兄、祖父母の思い出を纏めた独り語り。  誰もが、誰かが生きた記憶のアルバム。この記憶が消えない限り、亡き人もこの世から消えることはない。たとえ肉体が消えて、共に人生を歩めなくなったとしても、大好きな人達は存在する。思い出す度に、彼らは何度でも蘇るのだから。
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小説 190,606 位 / 190,606件 エッセイ・ノンフィクション 8,008 位 / 8,008件
文字数 30,042 最終更新日 2024.06.27 登録日 2024.06.27
我が家三代の愛犬と、亡き家族たちの、とりとめのない思い出話。昭和五十六年から令和三年まで、三代の愛犬がバトンを繋いで、家族を楽しませて癒してくれた。歴史とともに変わっていく習慣や環境のなか、どの犬たちも個性的で、可愛くてヤンチャで健気だったことには変わりなかった。  家族に犬と共にいる生活の楽しさを教えてくれた初代愛犬ジョン。父は、ションを溺愛し、家族はジョンを父の歩く強制健康器具とからかった。散歩の定刻の時間になると、催促がうるさかっのだ。肥満気味だった父が健康的にダイエットできたのは、散歩好きを通り越して、散歩狂いと化したジョンの功績である。  ともかく家族と一緒に居るのが大好きだったバナナ。我が家のアイドルは家族がともかく大好きで、庭に放しても、必ず家の中の家族が見えるところにいた。庭仕事をしているとき、ボールでいたずらしてくるのがお約束だった。  三代目愛犬レン。柴犬特有の頑固さと利口さを発明し、のちに忠犬ぶりをみせた。家族を見送る重要な使命を果たし、愛犬家だった父を悲しませなかった唯一の愛犬。  友人と話す。家族の死よりも、愛犬との死別のほうが悲しいねと。同意である。喜怒哀楽に嘘がないだけ、この愛犬たちは、家族の楔だった。
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小説 190,606 位 / 190,606件 エッセイ・ノンフィクション 8,008 位 / 8,008件
文字数 54,566 最終更新日 2024.06.20 登録日 2024.06.20
天赦日に、3度目の伊勢神宮へ。過去2回は友人と出かけたが、今回は1泊一人旅。伊勢神宮と熱田神宮参拝をメインにしつつ、グルメも楽しむはずが、ドジやらかして、美味しそうな地元グルメを最小限に楽しむことになる。
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小説 190,606 位 / 190,606件 エッセイ・ノンフィクション 8,008 位 / 8,008件
文字数 30,425 最終更新日 2024.06.11 登録日 2024.06.11
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