タイミーで毎日、働く60代以上も…企業がバイトでお試し→正社員採用も続出か

 また、60代以上の人はフルタイムの形態では企業に雇用されにくいという現実がありますが、スキマバイトであれば企業側も雇用するハードルが下がるため、働きたい人が仕事を得る機会が広まります。40~50代は、自身の経験を活かせる職種に転職しようとした場合、年収500万円相当くらいの仕事のパフォーマンスしかないのに年功序列のおかげで年収800万円をもらっていた人が、志望する企業から年収500万円ほどしか提示されずにミスマッチが生じて採用に至らず、働きたい人も働けないし、働いてほしい企業も雇用できないというケースが多いです。スキマバイトのサービスを利用することで、そのようなミスマッチが減る可能性があります」

既存の転職支援サービスや人材派遣サービスの領域を大きく侵食?

 逆にスキマバイトのサービスを使うデメリットはあるのか。

「タイミー経由で働く人の業種をみると、特に人手不足が深刻な物流(倉庫内作業)・飲食・小売が9割を占めており、仕事内容が比較的マニュアル化されていることもあり、スキルアップにはつながりづらい面があります。また、スポットで働いているため大きな責任のある仕事に就く機会は少ないでしょうから、働く機会を得ることはできるものの、キャリアアップにはつながりにくいかもしれません」(川畑氏)

 そしてタイミーの普及は、他の業界にも大きな影響をおよぼすという。

「これまで企業の採用においては、多額のコストがかかるうえに入社後にミスマッチが生じるという問題がありました。しかし、タイミーを採用ツールとして使えば、高額な掲載料が必要な求人サイトを使わずに募集をかけて、お試しで数時間だけ働いてもらい、良い人材であればスカウトするということが可能になります。これは既存の転職支援サービスや人材派遣サービスの領域を大きく侵食する可能性があり、当初はスキマバイトサービスを無視していた大手企業も、危機感からか、ここ1年ほどで同類のサービスを続々と開始しています」(川畑氏)

(文=Business Journal編集部、協力=川畑翔太郎/株式会社UZUZ COLLEGE代表取締役)