大手カフェチェーン「スターバックス」が現在、期間限定でテイクアウト用に使用している紙袋のデザインの美しさと高度な印刷技術が反響を呼んでいる。桜色と白のグラデュエーションを背景に、この2色を基調とした舞い散る桜の花と鳥が描かれているのだが、X(旧Twitter)上では
<フレキソ印刷の技術の半端なさ>
<日本で2社位しか印刷できない最高峰の技術が詰め込まれています>
など、さまざまな声が寄せられている。具体的にどのような技術が使われているのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
世界で3万店以上を展開するスターバックス。日本ではスターバックス コーヒー ジャパンが約1900店舗を展開。1996年に東京・銀座に日本1号店をオープンし、その後は一貫して拡大路線を取り、2015年には47都道府県への出店を達成。すでに店舗数ではドトールコーヒーショップを抜き去り、現在では国内カフェチェーン業界2位で約1100店舗のドトールを大きく引き離し、圧倒的な首位の座を築いている。ちなみに店舗数ベースでみると、コメダ珈琲店が3位、タリーズコーヒーが4位、サンマルクカフェが5位となっている。
スターバックスといえば、季節ごとに期間限定で販売される商品が集客の大きな要になっている。現在は春を感じさせる以下のドリンクを販売中だ。
・花見だんご フラペチーノ(690円)
・花見 さくら クリーム(590円)
・ストロベリー ラベンダー ティー ラテ(570円)
※いずれもサイズ「Tall」の価格
「花見だんご フラペチーノ」は花見だんごを片手にお花見しているかのような気分が味わえるもので、花見あんソースとさくらストロベリーソースをブレンドしたフラペチーノに花見だんごを入れ、トッピングとしてホイップクリーム、さくらフィアンティーヌ、花見だんごを乗せたもの。「花見 さくら クリーム」はミルク系ドリンクで、花々が咲き誇る春の香りをイメージしたスプリングブロッサミングフレーバーシロップとキャラメルフレーバーシロップをホットミルクにブレンドし、トッピングとしてホイップクリームと桜をイメージしたさくらフィアンティーヌを乗せたものだ。
「スタバはコーヒーショップだが、この3商品はいずれもコーヒー系ドリンクではない点からもうかがえるように、メイン客層である20~40代女性にとって、スタバはコーヒーを飲む店というよりスイーツを楽しむ店となっている。実際にアメリカではスタバのドリンク売上の7割以上がコールド系ドリンクだといわれており、割高なフラペチーノがチェーンの売上を支えていると考えられる。日本のファストフードチェーンでドリンク1杯が700円近いというのはかなりの高額だが、スイーツだと考えれば『ちょっと高い』レベルといえる。ただ、最近の10~20代のコスパ意識は想像以上に強く、この若者層に割高なスタバのヘビーユーザーが多いというのは考えにくい。あくまで店舗で観察した上での印象だが、こうした高額な季節限定商品を頻繁に購入しているのは、ある程度経済力のある30代後半より上の女性ではないだろうか」(外食チェーン関係者)
この「花見だんご フラペチーノ」と「花見 さくら クリーム」で特徴的なのが、その美しいビジュアルだ。前者は三色の小さなだんごと桜色のチップが施され、後者はホイップクリームに桜色のチップが散りばめられており、見ているだけで春らしい華やかな気分を味わうことができる。特に後者のカップには桜の花のイラストがあしらわれており、このカップだけでも欲しくなってしまう一品だ。