FF16、販売本数が週間・数百本か…低迷で「長期で売れる計画」に誤算?

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スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジー16」(「amazon.co.jp」より)

 世界的人気を誇るゲームシリーズ「ファイナルファンタジー」(スクウェア・エニックス)の最新タイトル「ファイナルファンタジーXVI」(以下、FF16)が6月22日に発売。発売初週の累計販売本数は全世界で300万本超え、国内で33万本超えとなり、改めて人気の高さを見せつけたが、発売から約4カ月を経過した10~11月時点で一週間当たりの販売本数が1000本以下、月間4000本以下になっているのではないかと一部で話題を呼んでいる。FF16の吉田直樹プロデューサーはコミュニティーサイト上に掲載されたインタビュー記事で「長期的な視野で売上を考えていくことが重要」「短期的な売上はまったく関心がない」と語っており、開発・販売元であるスクウェア・エニックスの計画に狂いが生じているのではないかという見方が広まっている。

「ファミ通.com」が発表している「ゲームソフト販売本数ランキング」によれば、10月30日~11月5日の週、その2週前の10月16日~22日の週はともに上位30位以内にFF16は入っておらず、30位のゲームタイトルの販売本数はそれぞれ1269本、1730本となっており、FF16の週間販売本数が1000本を割って数百本となっている可能性が指摘されている。スクエニは6月、FF16の全世界累計販売本数が300万本を突破したことを発表したが、その後、400万本達成のアナウンスはなされていないことからも、販売失速との声も聞かれる。

 そんななかSNS上で注目されているのが、6月にコミュニティーサイト「reddit」上で公開された吉田プロデューサーへのインタビュー記事だ。吉田氏は同記事内で上記のほか、「約1年半にわたり売れ続ける計画をたてている」と語っており、急激な販売落ち込みは想定外なのではないかという見方も広まっているのだ。ゲーム業界関係者はいう。

「吉P(吉田プロデューサーの愛称)の過去の発言からは、FF16は発売時点ではプレイするプラットフォームがプレイステーション5(PS5)に限られているという点をスクエニが強く意識して販売見通しを立てている様子がうかがえる。PS5の世界販売台数は4000万台だが、任天堂のNintendo Switchは1.3億台とPS5の3倍。すでにスクエニはFF16のPC版を開発することを発表しており、ゆくゆくはその売上も乗っかってくるし、過去のFFタイトル同様にXbox版も発売される可能性も取り沙汰されている。一方、PS4版の発売は技術的な問題のため『ない』とみられており、そこはセールス的にはマイナス要因となる。もともとFFシリーズはコアなゲーマー向きでハードに高いスペックが要求されるため、プレイヤーの母数が大きいSwitch版が出せないというセールス上のネックを抱えている。これらのさまざまな要因を踏まえたのが、吉Pの短期的な売上は重要視していないという発言だろう」

 また、別のゲーム業界関係者はいう。

「PS5の普及台数を踏まえれば、初週で300万本超えというのはモンスター級の数字。FFユーザーはコアなファンが大半なので発売直後に手に入れる。なのでリリースから4カ月以上経過した時点で販売本数が大きく落ちるのは当然であり、FF16が不調という見方は的外れだろう」

 当サイトは8月2日付記事『販売本数が桃鉄の10分の1以下…「FF16」凋落論が的外れな理由、PS事情も』で「FF16」凋落論を検証していたが、以下に改めて再掲載する。

――以下、再掲載――

 6月22日にスクウェア・エニックスより発売された「ファイナルファンタジーXVI」(以下、FF16)をめぐる議論が、ネット上で加熱している。1987年発売の第1作「ファイナルファンタジー」(以下、FF)から始まり、国内外を問わず数多くのファンが熱狂してきたFFシリーズのナンバリングタイトルとなる本作。ディテールまでつくり込まれた美麗なグラフィックをはじめ、シリーズ初となる本格アクションに振り切ったバトルシステム、暗く重い設定のストーリーが話題を呼んでいる。なかには、そのゲーム性に難色を示す声も一部見られるが、海外レビュー集積サイト「metacritic」によれば、FF16はメタスコア88点を獲得。総合的に見れば、本作の評価は高めと見るのが順当だろう。