また、これらの商品は、高単価とはいっても、いわゆるグルメバーガーや専門業態のカフェよりは確実に安価であり、長く続く不況のなかでのちょっとした『大人の贅沢』としてのニーズにも応えているようです。 一方で『ちょいマック』を中心とする安価なメニューは学生層を中心にしっかり支持されており、一軒の店の中で多様な層がそれぞれの懐事情に合わせて店を使い分けている、これが現在のマクドナルドの強みだと思います。
一般的に飲食店はある程度ターゲットを絞り込むことで利用動機を明確にすることが重要ともいわれますが、それはどちらかというと専門店的な業態において有効な戦略であり、マクドナルドのようなもはや『インフラ』に近い業態では、間口の広さこそがそのまま強みになるといってもいいのではないでしょうか」
当のマクドナルドは、この「間口の広さ」をどれほど意識しているのだろうか。
「『おいしさと笑顔を地域の皆さまに』。お客様だけではなく、従業員、そして地域の皆さまに笑顔になっていただくことがマクドナルドの存在意義でございます。年代・属性問わず、おいしさとFeel-Goodなモーメントを、いつでもどこでもすべての人にお届けしています」(マクドナルド)
(文=Business Journal編集部、協力=稲田俊輔/「エリックサウス」総料理長)