給食停止のホーユー「人権無視」経営…外国人実習生に月給1万円→解雇、代金不払い

 また、世間一般の人々の間には『外食に比べて給食は安いもの』という意識が定着しており、これが給食業界でなかなか値上げを実現できない背景にあると感じます。例えばランチが500円というのは安価に感じても、給食一食が同額であれば満足感を得にくい人は多いでしょう。これは給食業界全体の課題であり、第2・第3のホーユーを生まないためにも、今回の事案が国民の意識を変えるきっかけになればよいと思います」(同)

 外食チェーン関係者はいう。

「値上げに対し消費者から一定の理解を得つつある外食業界とは異なり、世間からも発注者である施設からも『安くて当たり前』という意識を持たれている給食事業というのは、かなり難しい面がある。くわえて、複数年契約のため自社の判断ですぐに値上げできないという特殊な事情もある。

 ホーユーに関していえば、発注元が急に連絡が取れなくなったり、一方的に食堂を閉鎖して、施設側から何度問い合わせを受けても『担当者不在』を理由に逃げ回ったりと、企業として明らかに問題があるのは事実。それとは別の話として、未曾有の物価・人件費上昇という給食事業者の置かれた窮状を無視して、頑なに値上げを拒否する行政や学校にも問題はある。事業者が破綻すれば回りまわって発注元も大きな不利益を被るわけで、しっかりと事業者の声に耳を傾けるべきだ」

(文=Business Journal編集部、協力=赤尾正/日本給食経営管理学会理事長)