絶対に失敗がゆるされない試験。勝負の決するワンプレー。努力が実るか水の泡になるかの土壇場。
こんなプレッシャーのかかる場面でも涼しい顔で実力を発揮し、最高の結果を勝ち取る人がいる一方で、緊張感に耐えきれず普段はやらないミスをしてしまったり、慌ててしまう人もいる。
「メンタルが強いか弱いかの違い」といえばそれまでだが、では「メンタルの強さ」とは一体何なのか。
結果を左右するのは、感情をコントロールする方法を知っているかどうか。そして、そのうえでトレーニングを積んで実際に感情をコントロールできるかどうか。それだけのことです。
それは誰もができることであり、そうできている人について、周囲の人が「あの人は心が強い」「メンタルが強い」というふうに表現しているに過ぎません。(『百年メンタル~心の調子をキープする言葉の取扱説明書』より)
メンタルコーチとしてこれまで数々のアスリートのメンタルトレーニングを手がけてきた飯山晄朗さんは、著書『百年メンタル~心の調子をキープする言葉の取扱説明書』(大和書房刊)で、強いメンタルの正体についてこう解説している。
感情がたかぶったり落ち込んだりすることは、一流スポーツ選手も優秀なビジネスパーソンも、そうでない普通の人もみな同じ。そこをたかぶりすぎないよう、落ち込みすぎないよう、ムラをなくしていくことは訓練次第で誰でもできるようになるそう。そしてその訓練は「使う言葉」から始まる。
では「メンタルが強い人」、つまり感情をコントロールできる人になるための言葉にはどのようなものがあるのか。
たとえば「~しなければいけない」という言葉。一見プラス言葉のように思えるが、実は脳には「義務感やプレッシャー」として伝わり、自分を追い詰めてしまう言葉なのだそう。
どんな時でも自分の力を発揮するために大切なのは「ワクワクした気持ち」。「~しなければならない」という言葉遣いはこの気持ちを消してしまう。これはアスリートが「絶対に勝たなければいけない」と気負いこんだことで肩に力が入ってしまい、実力を出せずに負けてしまうパターンを思い出すと理解しやすいだろう。逆にワクワクした気持ちを維持するためには「~しよう」という言葉遣いが有効なのだとか。
また、日常生活のいたるところでつい口から出てしまう「すいません」も禁物だ。何も悪いことをしていないのに、とりあえず使ってしまうのがこの「すいません」だが、多くの場面では「ありがとうございます」で代用可能のはず。
本書によると「ありがとう」と発することで脳からはドーパミンやエンドルフィンといった報酬系のホルモンが分泌されるそう。すると脳が快反応を起こして自己肯定感が高まります。そして、この自己肯定感がパフォーマンスを高めるカギなのです。
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「自分にないものはなんだろう」を「自分にあるところはなんだろう」へ。
「~したい」を「~する」へ。
「自分がやらなくてもいいか」を「自分がやらなければならない」へ。
本書で明かされているメンタルが強い人になるための言葉や考え方からは、彼らが世の中や物事をどう見ているかがうかがえるはず。これらの言葉と考え方をコピーすることで、メンタリティや行動もメンタルが強いひとのものに変わっていく。
いつでも安定して自分の力を出せる自分になるために、一読してみてはいかがだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。