任天堂が来年(2024年)下半期にゲーム機の新機種を発売するという観測が広まっている。イギリスのゲーム情報サイト「VGC」は7月31日、すでにソフト開発用キットが主要な開発パートナーに配布されていると報じた(“Sources: Nintendo targets 2024 with next-gen console”)。任天堂は2017年3月にNintendo Switchを発売して以降、Switchの後継機を除いては新たなハードを投入しておらず、すでに6年が経過していることから、新機種の発売が近いという見方が強かったが、果たしてそれは来年になるのか――。
任天堂は過去、数年おきに新たなゲーム機を発売してきた。04年に「ニンテンドーDS」を発売した2年後の06年に「Wii」を発売し、その後「DS」「Wii」の複数の後継機をはさんで17年に「Nintendo Switch」が登場。世界累計販売台数が1億2000万台を超える大ヒットとなり、その後はSwitchの後継機を除いては新たなハードは投入されておらず、タイミング的にも来年あたりに新たなハードが登場するという観測は根強い。
「新ハードの投入に合わせて、その起爆剤として強力なゲームタイトルがリリースされるものだが、一昨年に制作が発表された『ドラゴンクエスト』の新作(『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』(ドラクエ12)がリリースされるのではないかという見方が強い。注目は、新ハードがSwitchの後継機的なものなのか、まったく新しい次世代ゲーム機になるのかという点だが、情報は漏れ伝わってこず、現時点ではわからない。
最近、任天堂のゲーム開発者専用サイト上で新機種向けソフトの開発キットに関する情報が公開され始めたという情報も広まっており、業界内では来年の新ハード発売は半ば既定路線のように認識されている」(ゲーム業界関係者)
実は任天堂は新機種投入が近いことを示唆する言動をみせている。6月に開催された同社の株主総会で古川俊太郎社長が「Nintendo Switch次世代機への移行においては、ニンテンドーアカウントを活用しながら、お客様にうまく移行していただけるように努めていきたいと考えております」と語っているのだ。
前出「VGC」記事によれば、新機種はSwitchと同様に持ち運び可能なタイプであり、体を使うゲームもプレイできるという。
ゲーム業界関係者はいう。
「Switchは来年で発売から7年が経過し、後継機もいくつか出ているので、ここでまた後継機を出してくるかといわれれば疑問。出すならまったく新しい次世代機か、Switchを大幅に刷新したものである可能性が高い。任天堂には『Wii』の刷新版である『Wii U』がセールス的には不調で失敗した苦い経験があり、もし仮にSwitchの大幅なリニューアル版を出すにしても、かなり慎重になっているはず。
スペックの高いゲームを好むコアなゲームユーザーはソニーのプレステ(PlayStation)に流れており、任天堂は家族や友達と気軽に楽しめるライトユーザーを多数獲得し、きっちり棲み分けができているので、新機種でも高スペックを追うようなことはしないだろう。現時点では、それくらいしかわからないのが実情」
当サイトは任天堂に事実確認のための質問を送付しており、回答入手次第、追記する。
(文=Business Journal編集部)