また北海道福島町では、建設関係者や町民らで構成する「第2青函トンネル構想を実現する会」(会長・鳴海清春福島町長)が7月10日に総会を開き、青森県側(今別町)と連携してトンネル建設などの要望活動を展開することを目指すと確認した。期成会の事務局でもある福島町総務部の担当者は、「北海道と青森県への要請活動の強化や、北海道議会議員や国会議員への働きかけにより広く必要性を共有する取り組みを進めていく」と意気込む。北海道新聞の報道によると、総会には約40人が出席し、期成会に加入していない自治体への働きかけ強化などを盛り込んだ事業計画案を承認したという。
このように一部ではトンネル建設への機運が高まりつつあるが、課題も散見される。福島町の担当者は次のように懸念を示す。
「工事費が莫大となることから、国が主体となり実施してもらう必要がある。新幹線の札幌延伸が最優先事項となっており、道内全体における機運がなかなか高まっていない。福島町だけではなく、北海道・青森県が一体となり国へ必要性を訴えていく必要があると考えている」
道建協の栗田副会長も「行政も含めたさまざまな機関に理解をしていただき、連携して解決していくしかないと考えている」とコメントした。果たして、「第二青函トンネル」は実現するのか。誰が7200億円という巨額の費用負担をするのかはもちろん、事業に対しての自治体・関係者らの「本気度」が問われている。
(文=小林英介)