「若者はLINEも使わない。スタンプは古臭い」は本当か…気軽なインスタDMに好感

「当然、使う子もいるでしょうが、使いたがらない子も増えてきたかもしれません。私のような30代やその上の40代、50代などからすると、定型文とセットになったイラストをボタンひとつで送れるLINEのスタンプ機能は非常に便利で、気心知れた間柄との連絡では、これだけで会話を済ませてしまうことも少なくありません。

 若い世代もかつてはこうした傾向が強かったですが、その便利さが中年世代の間でも広く使われるようになると、逆にスタンプを使うことが古臭いと感じてしまった可能性はあるでしょう。自分たちが編み出した文化に大人が入ってきてしまうと興ざめしてしまう心理は理解できなくもないです」(同)

それでもLINEが廃れない納得の理由

 こうしたコンテンツ系SNS内でのやりとりが活発化する一方で、LINEがいまだに廃れないのにはどういった理由があるのかが気になるところだ。

「SNS文化が全盛になる前までは、ケータイのSMS(ショート・メッセージ・サービス)で文面のやり取りをし、電話で音声でのやりとりを行っていましたが、ここ十数年ほどはこうしたケータイ電話が担っていた役割をそのままLINEが担うようになった感があります。そうなると、LINEを利用するということがイコール知り合いの連絡先を保存しておくことにつながるわけです。SMSと電話と電話帳のすべてがLINEに置き代わっている。となると、いくら日々の場面ではInstagramやTikTokを介して連絡していても、LINEを利用しなくなるという選択肢はまず起きないのではないでしょうか。

 また、特段コンテンツを介さなくても会話が弾む家族や恋人などとの間では、若い世代も活発にLINEも利用していると思います。目的がなくても会話が生まれやすいInstagramやTikTokと、目的があって会話をするときに使われるLINEは、うまく線引きができていると感じます」(同)

 では、今後LINEを含むメッセージアプリの流行はどう変化していくのか。

「先ほども述べたとおり、若者の間ではLINEは引き続き利用されつつも、日常のコンテンツを介した会話はInstagramやTikTokになるという傾向が今後も強まっていくでしょう。中高年の世代でいえば、LINEは電話やメールに代わる存在として、強固な存在感を示していくでしょう。連絡先を再構築するという手間がある以上、今後LINEに替わる新たなメッセージアプリが台頭することは考えにくいですからね。また、コンテンツを発信することへのハードルは中高年層にはまだまだ高いでしょうから、中高年層がInstagramやTikTokといったSNSのDMに流れていくこともまずないと思います」(同)

(文=A4studio、協力=坂本翔/株式会社ROC 代表取締役)