人生は山あり谷あり。良い時があれば悪い時もあるものです。
大きな失敗をしてしまったり、頑張っても報われなかったり、状況が好転せずに悩みこんでしまうこともあります。そんな「どん底」にいると、ずっとその状況が続くかのように思えてくるでしょう。
しかし、しなやかに生きる習慣を持っていれば、そうした状況から立ち直ることができるはずです。もちろん「すぐに」ではありませんが、状況を良い方向へと好転できるきっかけをつかめるはずです。
そんな方法が書いてあるのが『しなやかに生きる人の習慣 何があっても立ち直る50の秘訣』(松尾一也著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)です。本書はロングセラーとなった『50代から実る人、枯れる人』の著者が、何があっても立ち直るための50の秘訣を伝授する一冊となっています。では、どのような秘訣があるのでしょうか。そのうちの3つをピックアップしましょう。
もし絶望してしまったとき、心が折れてしまったとき、大きな緊張に襲われたとき。著者の松尾さんは「無理に気分を上げない」とアドバイスします。慌ててなんとかしようとするのではなく、しばらく呆然としながら、静かに自然の癒しに身を任せるのです。
また、この時、姿勢と呼吸に意識を向けましょう。スッと背筋と首筋を伸ばし、へその下からゆっくり大きくした呼吸を心がける。そうすることで自律神経が整ってきます。とてもシンプルな方法ですが、だんだんと悪循環から抜け出せるようになってきます。
どん底から立ち直るためには、ガンガンにスケジュールを入れて動いた方が、気がまぎれて良い気がすると考える人も少なくないでしょう。しかし、根本的な立ち直りにはその逆、「スケジュールを減らし、余裕をもつ」ほうがおすすめだと松尾さんは述べます。
そして、やることの一つ一つにじっくりと時間をかけ、人間関係や健康維持、遊び、学習の質を上げます。スケジュールを減らすときのコツは、「NOT TO DOリスト」をつくること。つまり「しなくてもいいこと」を書き出すのです。スケジュールがいっぱいの状況から余裕を作り出す。それが立ち直るための大きな原動力となります。
冒頭にも述べたように、人生には良い時もあれば悪い時もあります。悲しみや苦しみを背負っても、時間の経過とともにその心情は少しずつ癒えていくもの。だからこそ、「この試練もいつかは終わる!」と自己暗示をかけることが大事なのです。
1年後になったら、今抱えているトラブルや失敗も笑って話せるエピソードになっているかもしれません。何よりも大切なことは「今を大事にすること」です。
◇
自分がどん底に落ちてしまったと思ったら、ひとまず姿勢・呼吸を整えて、余裕を生み出しましょう。無理に気分を上げることをせず、自然に身を任せるのです。また、そのほかにも「とことん悩む」「泣ける時は泣く」など、立ち直るための様々な秘訣が本書にはつづられています。
「もうダメだ…」と思っても明けない夜はありません。本書を参考に自分を見つめ直し、まずは体勢を整えることからはじめてみてはいかがでしょうか。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。