いいアイデアを考え出すのは難しい。ひねり出そうとしても、どうしてありがちなものになってしまったり、斬新なものが出てこない。どうすれば、いいアイデアを生み出すことができるのか。
『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』(いしかわかずや著、クロスメディア・パブリッシング刊)は、アイデアクリエイターの著者・いしかわかずや氏が、実際に考えた30のアイデアとともに、それぞれの思考の過程を紹介しながら、アプローチや発想法について解説する一冊。また、他にもアイデア体質になるための習慣術やアイデアを実現するためのプレゼン、企画書の作り方も紹介している。
いいアイデアを生み出すのにセンスや努力は必要ないと、いしかわ氏は述べる。そして、いいアイデアはいつでもシンプルであることが大切だ。シンプルだからこそ理解されやすく、共感も得られる。
シンプルなアイデアを生み出すには、発想法もシンプルであるべき。いしかわ氏が実践しているシンプルな方法が、「2つのアプローチ」と「2つの発想法」だ。
「アプローチ」とは、アイデアを考える際の「スタート地点をどこに置くか」を考えること。「テーマから考える」など、いかにも人が考えそうなところから発想していくと、生まれるアイデアもかぶってしまう。そこで、独自性を出すには、人と違ったアプローチで考えることが必要となる。
1つ目のアプローチは、その商品に対して誰もが抱えている「課題」に気付き、その「課題」を解決する方法を考えること。
2つ目のアプローチは、その商品が持っている「特徴」をさらに伸ばせないか考えてみること。
いいアイデアを生み出すには、「どうやって考えるか」の前に「どこのポイントで考えるか」が重要になる。
アプローチによって目指すアイデアの方向性が決まれば、次はそれを具体化させる2つの発想法が必要となる。
1つ目は「見立てる」という発想法だ。課題を解決したり、特徴を伸ばしたりするために、既存の製品をほかのものに見立てるのだ。
2つ目は「ちょっと変える」発想法。既存の製品の形、色、素材、機能などをマイナーチェンジして、新たなアイデアを生み出す。
この2つのアプローチと2つの発想法の特徴は、既存のものから思考がスタートしているという点だろう。まったく新しいものを生み出すのではなく、日常にあり、誰もが目にしていたものを少し工夫してアップデートする。その結果、ありそうでなかったアイデアが生まれるのだ。
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まずは面白いアイデアを生み出す思考法を身につけよう。そうすることで、共感や驚きのある斬新なアイデアが生まれるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。