チャンネル登録者数42万人以上を誇っていた人気YouTubeチャンネル「ゲームさんぽ /ライブドアニュース」が14日、突如として実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏を中心とした別のチャンネルに移行し、視聴者が反発したことで登録解除が相次ぐ事態となっている。
ライブドアが運営していた「ゲームさんぽ」は、さまざまな分野の専門家の解説付きでゲームの世界を探索する人気企画。リアルな自然描写で知られる『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と気象予報士の資格を持つ石原良純、極道の世界を描いた『龍が如く極2』と”職質の鬼”の異名を持つ元警察官、筋骨隆々のキャラクターが多数登場する格闘ゲーム『ストリートファイターV』とボディビルダーなどといった組み合わせで話題を呼び、昨年3月には書籍化もされた。
ライブドアは昨年12月にLINEからミンカブ・ジ・インフォノイドに買収されており、ミンカブ社は今月14日に元ライブドア社長の堀江氏との連携を発表。堀江氏がライブドアのエグゼクティブ・アドバイザーに就任し、コラボ企画として「ゲームさんぽ」のチャンネルを「ゲームさんぽ /ライブドアニュース×堀江貴文 ホリエモン」とし、堀江氏が話題のニュースを独自の視点で解説する番組も提供していくとしていた。
ところが、現在チャンネル名は「ライブドアニュース」となっており、「ゲームさんぽ」の名前は消滅。同時に堀江氏がマイナンバーカードについて解説する動画が投稿され、「ゲームさんぽ」をチャンネル登録していた視聴者から「登録した覚えのないチャンネルの新着動画が上がってきた」「なんで急にホリエモンの動画が…」「ゲームさんぽが全然違うチャンネルになってる」といった困惑の声が続出した。
「ゲームさんぽ」を担当していたスタッフのいいだ氏は、同日夜に自身のTwitterで「えー、本日『ゲームさんぽ/ライブドアニュース』はゲームさんぽの看板を下すことにしたようです。不快に感じた方も多いかと思い、大変申し訳ない気持ちですが、この決定については私も今日知らされました。すみません…」などと事情を説明。どうやら、担当者すら当日に知らされるという急な出来事だったようだ。
今回の一件とは無関係としながら、いいだ氏と同じくスタッフだったマスダ氏は今月をもってライブドアを退社すると発表。同チャンネルで「ゲームさんぽ」が続く可能性はほぼないとみられ、同企画のファンだった多くの視聴者が「看板外し」に反発し、チャンネル登録の解除が相次ぐなど騒動となっている。
Twitterでも同じような騒ぎが起きている。先日、プロ格闘家でYouTuberの朝倉未来が「Twitterをやめた」としてフォロワー数78万人超を誇っていたアカウントを削除。しかし、10日になって自身がスペシャルアドバイザーを務める格闘技大会「BreakingDown」のアカウントに移行すると発表した。
その言葉通りに14日に朝倉のアカウントが「BreakingDown公式」として復活し、最初の投稿で「このアカウントでは、今後BreakingDown関連の情報を中心に発信していきます」と告知され、50万円の現地観戦チケットが当たるプレゼントキャンペーンの開催が発表された。以前からあった「BreakingDown」の公式アカウントはフォロワー数15万人ほどだが、新公式アカウントは朝倉のフォロワー数を受け継いでいるので約78万人となっている。
だが、これに「え、ブレイキングダウンなんてフォローした覚えないよ」「78万人のフォロワーついたまま別アカウントにするってどうなの」「朝倉未来のファンでもブレイキングダウンには興味ない人もいるのに」といった戸惑いの声が続出し、フォローを解除する人が相次いでいる。
SNSやYouTubeの人気アカウントが売買されて丸っきり別のアカウントになってしまうという事例は少なからずあるが、そうした戦略は反発を招きやすい傾向があり、今回も例にもれずに炎上騒ぎとなってしまっているといえそうだ。