そんななかでベスト場面を挙げるなら、迷わず2戦目の対コスタリカ戦に尽きる。この試合のスタメンを、影山は1トップのFWで上田綺世が起用されると予想。これも見事的中させたのだが、実は上田のスタメンを予想したのは出演者のなかで彼女だけだった。番組で共演した2人の解説者はおろか、どの番組でも上田の起用を予想した人はいなかったのである。それでも、あくまで謙虚な姿勢を貫く姿がまた印象的であった。
サッカー大好きの女性のなかには、特定のチームを応援していて詳しい範囲が限定されている人やサッカー部のマネージャー感を出している人などがいるが、影山はそのどちらでもない。サッカー大好きな女の子が“オタク化”した感じなのである。彼女が熱烈なサッカーファンから支持されているのは、専門性が高く、振り切っているオタク感がたまらないからに違いない。
サッカーに対して真面目で勉強熱心なだけでなく、空気も読めるため、番組で共演する年長者から可愛がられている点もポイントだ。特に内田篤人には早くから気に入られ、共演していくうちに「影山さん」→「影ちゃん」→「影」と、親しく呼ばれるようになっている。男性女性問わず、これまでのどの芸能人よりも深いサッカー愛を感じさせる影山優佳の快進撃は、W杯終了後も止まることはないだろう。
(文=上杉純也/フリーライター)